3930 はてな株主総会 質疑応答メモ(2018年10月25日開催)

はてなの株主総会が2018年10月25日の10時から開催されました。
場所は表参道のアイビーホール(青学会館)2階「ミルトス」
結婚式場みたいですね。
表にウェディングドレスが飾ってありました。

はてなブックマークで有名なので認知度は高い会社だと思います。
他に個人向けではてなブログ、法人向けではてなブログMediaやサーバー監視サービス(Mackerel)などを展開しています。

業績。

3930 はてな決算まとめ

売上伸びてます。
そして2018年度は足踏みですがその前は利益もついてきています。
2018年度は売上伸びたけど販管費も増えた模様。
システムリプレースでデータセンター利用料が増加したせいでしょうか。

データセンター利用料の推移

リプレースには新旧サーバの並行稼働が必要とのこと。
質問でシステムリプレースいつまで?っていうのがありました。
この費用計上がどのぐらい続くのか気になったためでしょう。

来期予想は2017年度同等の営業利益を予想。
過去の予想をみる限り固めに出す傾向の会社です(3930 はてな業績)。

事業報告他20分、質疑応答40分ほどで終了。
ノート取ったり端末持ち込んで調べたりと熱心な株主が多かったです。
質問もたくさん出ていました。
基本社長さんが回答、近藤さん関連の質問だけ近藤さんが回答。

創業者の近藤さんが持ち株を売っているのは確かに気になります。
近藤さんは物件ファンを運営するOND(おんど)社に注力のため、2017年にはてな会長を退任して非常勤取締役になっているようです。

質疑応答(要約)

Q1.6月にネット上でのやり取りをもとに刺殺事件が起きたが、コミュニティサービスを運営しているものとして見直し等何か取り組んだことはあるか。
適切な対応を行っていると考えており、今後も引き続きユーザからの通報や投稿内容のチェックを継続的に行い対応していく。

Q2.退職一時金とは何か。
物件ファンの事業譲渡を行っており、その従業員の転籍費用として計上。

Q3.システムリプレースの完了予定はいつ頃か。
詳細は出していないが、今季7月頃(2019/7)には大半の作業が終わる予定。

Q4.近藤さん。現役の取締役でありながら、市場内で持ち株を処分している。どのような考えか。
(近藤取締役)
昨年より別会社にて新規事業に取り組んでおり、そういった資金も含めての計画。
(追加で質問:OND INCの資金調達か?)
詳細は控えさせて頂く。

Q5.はてなダイヤリーを閉鎖して事実上はてなブログに統合するようだが、コンテンツはどうするのか。
基本的には、はてなダイヤリーからはてなブログへの移行を積極的にすすめていく予定。

Q6.はてなダイヤリーからはてなブログへの移行に際して、インポート機能が不完全だと思う。改善予定は?
基本的にはボタンひとつで移行可能になっていると考えているが、個別のケースで不完全な場合もある。
いま一度サポートに要望をだして欲しい。
(追加で質問:要望は出しているが反応がにぶい。問題認識はどの程度?)
完全互換ではなく、そのまま移行できるものではないと考えている。
一度にインポートしようとすると時間が掛かること、改行モードでhtmlが変わってしまうなど、いくつか把握はしている。
期間が限られているので、ユーザの意見を伺いつつ出来ることを対応していく。
今回のご意見もスタッフの方にしっかり伝える。

Q7.サーバ監視サービスであるマカレル(Mackerel)の強みは?
たしかにサーバ監視サービスはいくつかある。
強みは導入が簡単であること、サービスの設計としてサーバー監視のフレームワークがあるので利用者のレベルに関係なく同じレベルで監視が可能なこと。

Q8.コンテンツプラットフォームサービスが減収だが対策は?
例えば、はてなブックマークのリプレースが終わると出来ることが増えると考えており、ユーザに向けて価値を提供できると思う。
また、はてなダイヤリーとブログの統合でよりコミュニティが活性化していくと考えている。

Q9.株主還元。配当はなしとのことだが、有料オプションなどの株主優待は?
現時点ではそのような計画はないが、ご意見は持ち帰らせて頂く。

Q10.投資有価証券が2億円ぐらいあるが内容は?
満期保有のもので、社債・投資信託・MMFなど。

Q11.現金及び預金が9億近くと資産全体でかなりの割合。使い道は?
基本的には会社の成長のために使う。

Q12.セグメント。UGC単一セグメントとのことだが、3つの柱のうち「テクノロジーソリューションサービス」はそぐわないのでは。また、一番伸びるのはどれと考えるか?
※他2つはコンテンツプラットフォームサービス(個人向け)とコンテンツマーケティングサービス(法人向け)
テクノロジーソリューションサービスで提供する受託サービスはUGCに寄っている。
コンテンツプラットフォームでやってきた開発やコミュニティ運用といった資産が活きる。
サーバー監視サービスはUGCサービス等々のサーバー監視ノウハウを活かしているということで、現時点ではテクノロジーソリューションサービスに入れている。
今後伸びるものとしては、短期的にはテクノロジーソリューションが売上を引っ張ってくれると思うが、基本的には全てのサービスについて今後伸びていく余地があると思う。

Q13.近藤さん。商法における競業の避止に該当するのでは?
(近藤取締役)
OND社の取り組みは元々はてなの中で取り組んできた新規事業だったが、はてなの主となる事業とは距離があるため、別の会社として取り組んでいる。
OND社は物件管理情報サイトを起点に不動産の周辺領域などの展開を考えており、そういった情報ははてなメンバーとも共有している。
(社長)
近藤とは商法のルールを破らないよう気を付けるよう話している。

Q14.退任された元取締役の小林さんは引き続き大株主として居るが、院政を敷くのか!
退任をした後は経営に関わりません。
株式保有に関しては個人のことなのでお答えできませんが、院政を敷いているという事実はありません。

Q15.はてなブログの入力画面・閲覧画面とアメブロを比較するとデザイン的に劣ると感じる。物件ファンの方が良い。ユーザビリティを改善して欲しい。
チームにしっかり伝える。

Q14は意味が分からなすぎました。
社長さんも困惑の様子で、回答困っていましたが真面目に受け答え。
小林さんは院政とか言われて何かやらかしたのでしょうか?
質問した女性は何故かヒステリックな感じで、「大株主様であらせられる云々」とか妙にへりくだっていました。
色々な方が居るもんですね。

優待タダ取りにおけるコスト計算

優待タダ取り手順

  1. 権利付き最終日までに現物と信用売りのクロス取引を実施
  2. 権利付き最終日後に信用売りの現渡を実施

ここで掛かるコストが優待よりも低ければタダ取り成功。
ということで要コスト計算。

コスト算出で考慮すべき点は3つ。

    1. 逆日歩
    2. 売買手数料
    3. 信用売りの貸株料

逆日歩

逆日歩は過去の実績から予想。
安全をみるなら一般信用取引(無期限 or 短期)を使う。
ただし、貸株料率が高くなるので貸株料は嵩む。
過去に高額な逆日歩が発生しているようなら一般信用を使った方がよい。
(過去の逆日歩例:4661 オリエンタルランド

売買手数料

売買手数料は証券会社毎に確認。
大きな金額を一括取引する場合は上限が決まっているところが良い。
個人的には大きな金額一括でやるので上限が決まっているSBI証券を使っている(スタンダードプラン)。

信用売りの貸株料

信用売りの貸株料の計算は月末月初に土日休日を挟む場合は注意が必要。
一番少なくて2日分、土日を挟む場合は4日分掛かる(休日も挟むと更に掛かる)。

例えば、2018年9月末優待銘柄の場合(権利付き最終日9/25)
9/25売建約定・現物約定
9/26現渡約定
9/28売建受渡(売建約定の翌々営業日)
9/29土曜
9/30日曜
10/1現渡による返済の受渡(現渡約定の翌々営業日)

となって9/28~10/1まで4日分の貸株料が掛かる。

優待タダ取り例

SBI証券にて、一般信用(短期)を使ってオリエンタルランドのディズニーランド1dayパスを3枚タダ取りする場合。
SBI証券の場合の貸株料率
制度信用1.15%(逆日歩発生の可能性あるけど貸株料率は低い)
一般信用(無期限)2.00%(逆日歩発生なし、売建可能銘柄少)
一般信用(短期)3.90%(逆日歩発生なし、売建可能銘柄多)

1dayパス3枚取得するにはオリエンタルランドの株式が1,200株必要。
オリエンタルランドは過去に高額な逆日歩が発生しているので安全のため一般信用(短期)を使う。
※一般信用(無期限)の方が貸株料率低いのでよいが、オリエンタルランドは無期限の取り扱いがない。

9/25寄付に現物と信用売のクロス(9/25の寄り付き株価11,700円)
現物買11,700円×1,200株=14,040,000円(買付手数料994円)
信用売11,700円×1,200株=14,040,000円(信用手数料378円)

9/26現渡(手数料0円)
9/28売建受渡~10/1返済売渡で4日分の貸株料
建代金14,040,000円×3.90%×4日/365=6,000円

以上から、優待タダ取りで掛かった諸経費は、
994円(現物買付)+378円(信用売建)+6,000円(貸株料)=7,372円
ディズニーランドの1dayパスは1枚7,400円なので、1dayパス3枚取得して2枚分がタダで取得できた計算になる。

今回のオリエンタルランドの例では1400万円の資金で1.4万円分なので利回り0.1%。
手間をどう考えるかと資金量次第だが、単元狙いで優待利回りのよい銘柄を複数取得すれば利回り1%以上も可能かと。

小数点切り上げによる節税効果

ちなみに、諸経費分(上の例だと7,372円)の他に買付単価の小数点以下切り上げ効果が入るので税金を考慮すると2枚+αでお得。

※買付単価の小数点以下切り上げ効果
「特定預り」で購入した株式などの「取得単価」は、買付時手数料、消費税などの費用を含めた金額を基に算出し、小数点以下となった場合は小数点以下を切り上げた価格が「取得単価」となる

この切り上げ効果、株数が多いほどお得(低位株でやると・・・)。
今回のオリエンタルランドの例だと、
現物買付の諸経費込みの金額は14,040,994円
なので、買付単価は14,040,994円÷1,200株=11,701円(小数点以下切上げ)
対して現渡単価は11,700円
小数点切り上げで買付単価が1円高くなり、譲渡損は(11,700円-11,701円)×1,200株=1,200円
実際に掛かった諸経費も譲渡損になるから、譲渡損の総額は6,378円+1,200円=7,578円(※現物買付手数料の994円は買付単価で算入済み)
株式の税率は20%、譲渡損分だけ利益減るから、税額としては7578*20%=1,515円分減る。

株式市場にはお金が落ちている、というか手間分をコストとしてノーリスクでお得に手に入るのが優待タダ取り。
ただ、現渡を忘れたり、逆日歩地獄に落ちると損するけどね。

2428 ウェルネット株主総会 質疑応答メモ(2018年9月27日開催)

ウェルネットの株主総会が2018年9月27日の14時から開催されました。
場所は有楽町の東京国際フォーラム「ホールD5」

決済関係のアプリを開発・運営している会社です。
株主総会開始前の13時から経営報告会で説明していました。
電子マネーの「支払秘書」、高速バス予約購入の「バスもり!」を推進中とのこと。
アプリダウンロードはハードル高いからワンクッションいれるため「Webバスもり」を開発中。
たしかに頻繁に使わない限りアプリ入れたくはないよね。

北海道に開発拠点とコールセンターがあるようです。
先の北海道地震においてコールセンター維持できたのうちだけ、システムダウンさせた過去あるけど今は安定運用できてます、と誇っていました。

業績(営業利益、販売費及び一般管理費、売上原価)。
青(営業利益)、赤(販管費)、黄(売上原価)、合計して売上高。

※ここでは表示していませんが、2011年6月以降から売上高の算出方法変わっています(会計処理方法の変更)。

売上高は伸びても利益は伸びず。
売上伸び分が全部売上原価になってる感じでしょうか。
割合で表示。

売上原価(黄色)に侵食されて粗利率落ちっちゃってます。
どうも売上の伸びと共に売上原価の「収納代行手数料」が増えているようです。
収納代行機関(コンビニとか)通すからその手数料かな。
あと外注費(売上原価明細)。
2016年→2017年で2.7億ほど増えています。
2018年も少し減ったけど4億ぐらい掛かってます。
質問への回答で内製化といっているのは、このコストを下げるためですね。

ちなみに2017年6月の販管費が増えているのは主に「広告宣伝費」と「支払手数料」のせいです。
支払手数料はなんだろう(主要な販売費及び一般管理費)。
この年だけ3.3億と突出してるんですよね。
他の年は大体3千万~1億ぐらい。
気になるけど保留。

午前中に出席したあいHDの会長さんとはうってかわってようしゃべる社長さんでした。
経営報告会後から株主総会までの空いた時間にも質問を受け付け。
うちの総会は質問いっぱいでて終わらないから今のうちに受け付けるよ~とのこと。
実際は総会であまり質問出ませんでしたが・・・。
今年は社長さん拍子抜けだったろう^^;

事業報告他30分、質疑応答は10分(経営報告会後の質疑応答を含めると25分)ほどで終了。
質問には経営報告会のQ2-1,2以外は全て社長さんが回答。

経営報告会後の質疑応答(要約)

Q1-1.支払い秘書の次のターゲット。電力会社は増えているが1年に2社は遅いのではないか。ガスや水道なども同時並行で出来ないのか?
遅いという点については、我々ももっといけると思っている。
電力はスマートメーターがあるので遠隔地から電気の開け閉めができる。
ガスに関しては、電子メール+マルチペイメントで払う形のペーパーレスは進めており、その先に支払い秘書をくっつけるという工事は終わった。
ただ、プロパンガスは遠隔地から開け閉め出来るが、都市ガスは出来ない。
水道については、地銀と提携をしたら一緒に出来ないかと考えている。
水道は検針員が必ず現地にいっており、同時にポスティングすればいいのでメリットがない。
スマートメーターはひとつポートが空いているから、そこにくっつけて遠隔検針できるかもしれない。
ガス・水道も進めていきたいと考えている。

Q1-2.QR決済を統一しようという動きがあるが、関係するか?
我々は非対面決済を生業としており、今のQR決済は店舗でQRをかざしたり読んだりするもの。
私もQR決済は統一されると思っている。
QRの中にあるのは「どこから誰にいくら払うのか」の要素が入っているだけ。
支払い秘書には銀行口座がくっついているから、今でもバーコードを読み込むことで払うことができる。
将来的には対面決済も視野に入ってくる可能性はあると思っている。
決済は請求書とそれに対するお金だから、請求書をどれだけもっているか、が勝負になる。
我々は非対面に関してはたくさんの請求書を持っている。
これをまず決済として繋げていって、対面にもいければと思っている。

Q1-3.市場は伸びていてもコンビニの収斂で厳しいか。今の環境について教えてほしい。
収斂して相対的にコンビニが力を強めている、というのは否定できない。
ただ、我々の減収要因は競争が激しくなったというのもあるが、経営報告会で述べた通り原因は3つ。
現金決済の中で一番我々が強いと思っているし、決済マーケットに関してはまだまだ拡大すると思っている。
コンビニもキャッシュレス化に対応していくと思うから、上手く立ち振る舞っていきたい。

Q2-1.北海道地震の被害状況について
(札幌事業所の小山執行役員が回答)
水道・電気のインフラはなかったが、物的被害は無し。
社内システムを守りつつ、コールセンターも維持したのは当社のみではないか。

Q2-2.リスク回避で北海道以外にバックアップ用の基地を設ける予定はあるか?
(札幌事業所の小山執行役員が回答)
現在ホスティングは1か所のみだが、クラウド化の方向で考えている。

Q2-3.地方銀行とのビジネスチャンスがあるのもわかるが、地方銀行も収斂してコンビニ収斂により事業が縮小したという話と同じことにならないか。
同感。
ただ、我々のビジネスチャンスは事業が起きる時と収斂に向かっていく時。
儲かっているときは相手は現状維持で飲まない。
これから色々な地銀が出ると思う。
一緒に決済関連を取りに行こうという地銀と新しい世界が作れるマーケットが始まると思う。

質疑応答(要約)

Q3-1.従業員数が11名増と会社の規模からすると結構な数だと思う。人材確保の状況について教えてほしい。
ほとんどは札幌事業所のエンジニア。
ボリュームのある開発案件を抱えており、人が足りない。
相当数の外注を使っている状況。
内製化がひとつの目的で、技術者として新卒あるいは中途を力を入れて採用している。
高等専門学校からの採用が多いが、学生1名に対して20社が募集しているような状況。
当社が採用できているのは奨学金を通じて非常にいい関係が構築できていること、またビジネスモデルが先端に近くサービスとして新しいというイメージ、採用担当の尽力がある。
コストパフォーマンスをあげるためにも内製化の推進は大きなテーマで、エンジニアは特に力を入れて採用していきたい。

Q3-2.役員報酬の一部として譲渡制限付株式条項というのがあるが採用しているか?
役員の退職金であたる1円のストックオプションを廃止して、リストリクテッドという株式報酬は昨年から採用している。

Q4-1.ローソンやミニストップは取引先だが、ローソン銀行が開業したら競合になるか?
ローソン銀行と連携の予定はない。
今まで通りローソンの店舗によって収納代行をしていく。
収納代行は請求書を出した人に対して行われる決済。
ローソン銀行が物を売った事業者と提携して決済していく、という判断をしない限りは競合にならないと思う。

Q4-2.ApplePayやAmazon、ヤフーなども端末決済に進出しているが競合になるか?
我々は公共料金からスタートして当社のサーバーにある数多くの請求書に対して支払い秘書を適用していく戦術。
これが将来どうなるのかは私にも予想ができない。
自分たちの出来ることを着実にやっていく。

Q4-3.コンビニ等と連携して海外展開はないのか?
海外展開は今のところ予定はない。