7034 プロレドパートナーズ株主総会 質疑応答メモ(2019年1月24日開催)

プロレドパートナーズの株主総会が2019年1月24日の10時から開催されました。
場所は浜松町の芝パークホテル別館 2階「ローズ」です。

2018年7月にIPOした会社で設立は2008年。
レンタルオフィスに取締役の山本さんと二人で創業。
社長の佐谷さんは元ファンドマネージャーで、総会の最初に創業のきっかけを説明されていました。
以下要約。

  • リーマンショック時に手掛けていた商業施設開発で退店希望のテナント(食品スーパー)が発生。
  • しかし契約上違約金が多大に掛かることから、止む無く赤字の少ない店舗を複数閉鎖に。
  • 食品スーパーも閉鎖された店舗の周辺住民も困窮。
  • 自分が提供している価値と対価、食品スーパーが提供してきた価値と対価はこれでいいのか。
  • 価値ある会社をサポートできないか。
  • サポートする以上は価値=対価であるべき→成果報酬のコンサルティングで創業。

成果報酬型のコンサルティングというのは珍しいようです。
創業初期は成果の部分で顧客と齟齬もあったようですね。
1000万のコスト削減できたと思ったら、顧客は100万のコスト削減という認識だった等。
基本顧客側の意向に沿って対応したが、改善を繰り返して今はほぼないとのこと。
その他、固定報酬型のコンサルティング会社には中々参入し難い事由があるようです。

業績は文句ない伸び(7034 プロレドパートナーズ業績)。

5年で売上高10倍にならなかったら代表辞任すると大言壮語しているだけはあります。
需要は2兆!とかあったので本当か、と思ったら「固定報酬が成果報酬にすべて置き換わったら」ということのようですね。
いずれにしろ需要はあるだろうし、削減分から対価払う成果報酬なら敷居も低い。
あとはコンサルなので人を確保できるか、ですね。
その辺はやはり気になるようで、人材についての質問が出ていました。

事業報告他30分、質疑応答30分ほどで終了。
質問がなくなるまで答えていました。
基本社長の佐谷さんが回答。
営業系は山本さん(営業本部長)、コンサル系は遠藤さん(コンサルティング部長)が回答。

質疑応答(要約)

Q1.第三四半期から第四四半期で売上は伸びているのに利益が抑えられているが何故か?
(社長さん)
今後の成長のために投資をした。
特に人材の採用。

Q2.クライアントの業種・規模は?
(社長さん)
クライアントの規模は売上100億~5000億ぐらいがターゲット。
成果報酬だとある程度の規模が必要。
上場することでより多くの企業から依頼がくる。
業種は小売りが多かったが、今はメーカー等様々。
※当初に小売りが多かったのは社長さんの繋がりっぽい

Q3-1.市場規模2兆円という話があったが、将来のシェアとその時の社員数の見込みは?
(社長さん)
市場規模の2兆円というのは固定報酬がすべて成果報酬へ変わった場合の想定。
固定報酬のコンサルがなくなるとしてもかなり先の話なので予測できない。
成果報酬のコンサルティング市場は5~10年でかなりの規模になるとは思っている。
シェアの想定はしていないが、成果報酬でシェアNo.1のポジションを築いていく。
社員数についても予測できない。

Q3-2.現在16億の売上で人員は79人だが、今後売上が伸びた際はどうなるか?
(社長さん)
コストマネジメントの削減率を開示しているが、毎年あがっている。
一人当たりの売上高もあがっている。
だから同じ割合で要るというわけではない。
ただ、将来を考えて投資をしていくから、売上高に対する人員の割合が減るとは限らない。

Q4.景気が悪くなった場合の影響は?
(社長さん)
成果報酬なので予算を取る必要がない。
なので景気が悪い方が依頼は増えると思う。

Q5-1.営業人員の立ち上げ期間は?
(山本さん)
新卒はコンサルタントで営業は中途のプロフェッショナルを採用。
なので、1ヶ月ほどで売れるようにはなる。
ただ、プロジェクトが始まってから成果がでるまでに一定期間かかるので、入社が決まってから1年後ぐらいに売上があがってくる。

Q5-2.今後2~3年での人員増計画は?
(社長さん)
採用に関しては役員全員で対応している。
今後も積極的に採用を続けていく。
中長期計画の数字は開示していないのでご理解願いたい。

Q5-3.前期の営業利益率37%は5~10年をみた場合に高い数値か?
(社長さん)
将来とのバランスなので曖昧になってしまうが、成長と株主の期待に応えられる実績を出していく。

Q6.新卒はコンサルとのことだが、戦力になる期間は?
(遠藤さん)
コンサルティングの人員は中途と新卒が半々。
新卒の場合、通常のコンサルティングでは2~3年は必要だと思うが、我々は6ヶ月ぐらい。
我々は間接材のコストマネージメントに絞っており、その中でもさらに領域を絞るので立ち上がりが早い。
また、通常のコンサルティングは上司について職人芸的に学ぶが、我々は社内のDBにノウハウを共有して活用している。
(社長さん)
私も新卒でコンサルティング会社に入って、3ヶ月ごとにまったく違う仕事に携わり、3ヶ月前の経験が使えなかった。
我々はサービスを絞ることでよりクオリティの高いサービスを提供できると考えており、それを一人のメンバーが深堀していく。
それが早く戦力化できている要因だと思う。

Q7-1.社外取締役の立場からみて重要な課題を教えてほしい。
(安藤さん・プロ経営者)
すべて重要な課題だが、一番根っこになっているのは人材。
人材の質によってサービスの質はダイレクトに効いてくる。
教育体制、現場でのフィードバックが重要。

(若杉さん・グロービス)
やはり人材。
優秀な人材を抱えることができれば、ここに書いてある課題は対応できると考える。
人材の育成に関しても他のコンサルティングと違うアプローチを歩んでいるのが先ほどの質疑応答から分かると思う。
もう一つ社外取締役の立場から。
クライアントも成果に対して喜ぶ。
そうなるとコンサルタントの社員の皆さんも喜びを分かち合いやすい。
やりがいや実感を感じやすいというのを前職のコンサルティングと比べて感じている。
スキルを付ける→成果を出す→クライアントが喜ぶ→喜ぶを分かち合う、というサイクルが極めて速く回る。
これが人材の採用と育成を加速させていく。
大きなポテンシャルだと思う。

Q7-2.これまで経験したトラブルについて。
(社長さん)
過去にはたくさんあった。
クオリティというよりも成果の認識違いが主。
基本はクライアントさんの認識に沿って対応するが、再び起こさないように契約書の修正やコンサルティングの進め方を変えてきた。
それが参入障壁にもなっているかと思う。
なので、いまはほぼトラブルはない。

Q8.競合。大手のコンサルティング会社が成果報酬に着手したという情報があるが本当か?
(社長さん)
それは事実。
私の旧知にも成果報酬はやらないのか聞くことがある。
一度やったことはあるがあまりチャレンジできない、という返答が多い。
大きな理由は、
・クライアントとの成果の齟齬
・プロジェクト期間が決まっていない(成果が出たときがプロジェクトの完了)
固定報酬型の会社で成果報酬を同居させるのは難しい。
成果報酬のプロジェクトに参加しているメンバーがいつ外れるのかが分からないので、固定報酬の営業が掛けられない。
また、パートナーの評価期間が大体1年ぐらい。
営業して半年、成果でるのがまた半年だと1年間まったく売上が立たない。
となると、パートナー陣としても成果報酬はやりたくない。
会社として全体に部署を設けて取り組んでいけば競合になっていくと思うが、なかなか広がっていかない。
いまは営業にいった時に「こんなサービスあるの」という状態だから、成果報酬を一般的にすることが課題。
なので、競合がでてくることは問題ない。
※パートナー:共同経営者

社長さんを筆頭に丁寧に答えていました。
正直、あやしい会社のイメージしかなかったですが、総会で話を聞いていたらものすごく好印象。
最後に社長さんが取締役のお二人に話を振ってひと言ずつありました。
山本さんの「赤字経営で施設閉鎖危機の会社のコスト削減コンサルして感謝の手紙がきた」話は特によかったですね。
Q7にあった若杉さんの「やりがいや実感を感じやすい」という話に通じます。
規模拡大で一番のネックは人の確保でしょうから、話が本当なら人に関する不安は大分解消されると思います。
とても気になる会社の一つとなりました。
FPGもクソ株センサーにフルヒットだったけど爆謄してるしまったく当てになりませんね。
てか、久々にFPGの業績みたらものすごい業績の伸び。
同じように飛躍を期待させる総会だったと思います。

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