3560 ほぼ日株主総会 質疑応答メモ(2018年11月25日開催)

ほぼ日の株主総会が2018年11月25日の15時から開催されました。
場所は外苑前のTEPIA 3階・4階
明治神宮球場の近くです。
3階の方は中継用スペースで、家族同伴可(同伴者は中継のみ)の株主総会です。
総会以外にも講演会や授業などもあって一種のイベントですね。
4階の会場に入りきらないぐらい大勢が参加していました。

タイムスケジュールは、
13:00~14:30 濱口秀司さんによる講演(ビジネスデザイナー)
15:00~16:15 株主総会
17:00~18:00 ほぼ日の学校特別授業(シェイクスピア)
18:15~19:00 質問会
また、展示会や取扱商品の販売会も。

正直、株主総会が面白そうだったので権利とっただけでしたが、参加してみて会社も事業としても好印象。
糸井さん自身が出入り自由な宗教と言っていましたが、言い得て妙です。
少なくとも株主には信者が多数、話からするとアルバイトで参加する人にも多くいそう。
社員のメッセージ動画など流れていましたが、そのまま鵜呑みにすれば「楽しい会社」。
社員を乗組員とかわざわざ言い換える辺り好きじゃないんですが、本当に伸び伸びと社員の自主性、興味、働きやすさを重んじて実践できているなら理想的ですね。
それに、「事業についてはここまでは失敗できるということを最初に考える形でやっている」というのもいい。
ゆるさからおざなりになっていなければですが。

事業としてほぼ日手帳だけの会社としか認識していませんでしたが、犬猫SNSのドコノコや地球儀と情報アプリを融合させたアースボールが気になりました。
犬猫SNSはペット特化のインスタみたいなもの、アースボールはARを利用して地球儀上にアイコン等表示しながら色々調べられるアイテムで1年前に発売開始したばかりとのこと。
ドコノコは3年目で22万ダウンロードといまいちふるわない様子。
コンセプトは面白いと思うんですが、ペット人口少ないのでしょうか。
ペット飼育率
日本7%、アメリカは20%超えで高い。

売上高はほぼ日手帳が約6割占めていてアメリカアマゾン、中国wechatにも展開とのことです。
原価・販管費の増加は生活の楽しみ展で結構な費用掛かっている模様。

糸井さんの話好きにより特別授業以外すべて時間が足りませんでした笑
質問会だけで2時間ぐらいやってもいいんじゃないかという印象。

事業報告他30分、質疑応答30分ほどで時間切れ終了。
質問会の方も時間一杯の45分ほどで終了。
以下、本当は笑いが起きたりしているのですが、要約しているので固い感じになっています。
それにしても、CFO篠田さんの優秀感はんぱない。
来期はいなくなるようです。

質疑応答(要約)

Q1.決算期。8月決算は珍しいが何故か?
(篠田CFO)
主力商品のほぼ日手帳の発売日が9月1日であり、そこからの1年間である方が業績の状況を理解する上で一番分かりやすいであろうと判断した。

Q2.リスクマネージメントの基本理念を知りたい。
(糸井さん)
仕事は自分のやっていることに意義を感じることで責任感が生まれる。
また、うちの仕事では一番危ないケースは何かを必ず考える。
事業についてはここまでは失敗できるということを最初に考える形でやっている。

Q3.今期の棚卸評価損が増えているのは何故か?
(篠田CFO)
計上の原則は変えていない。
変わった要因としては売上が伸びた要因として新しい事業があり、新しい事業は不確実性が高いので同じものさしを当てた時に評価損という形で多くなった。

Q4.流動性が低い。どう考えるか?
(篠田CFO)
一般論として投資単位の引き下げが流動性にプラスに働くということは理解している。
株価水準、流動性、実施に掛かる費用などを常に総合的には判断しているが現時点では未定。
(糸井さん)
株価そのものを論議するというよりは、どういう事業があり、どういう風にお金が必要で、どういう人に経営に入ってきて欲しいか。
目にみえて大きな事業の変化がでてきた時に株に対する期待が問われると思うので、始まって2年の段階で株価そのものに対する話は、まだ、と僕自身は捉えている。

Q5.四季報に上期偏重とあるが何故か?
(篠田CFO)
主力商品のほぼ日手帳に季節性があり、期初(9月)から発売しているため。

Q6.生活の楽しみ展。地方開催できないか?
(糸井さん)
ほぼ日ではハイコストを覚悟してやっていることが多い。
簡単に各地に展開しても内容が不確かなものになる。
大阪開催でもアルバイトの皆さんに支えられてなんとかできた状態。
ライブ性を重んじながらインターネットを使っており、いずれ出来るようになるために何をしたらいいかは本気で考えている。

Q7.学校事業の今後の展望を教えてほしい。
(糸井さん)
まずは、いま集まっている方に本当にいいものだということを分かってもらうプロセス。
ネット視聴もまだ知られていないので、これが増えていくと見えてくるものがあると思う。
その次は、あるところではケインズ、あるところではダーウィン、あるところでは枕草子をやっていてみんな出入りできるような、具体的な形での学校の隆盛があり得ることだと思ってやっている。

Q8.次期の取締役が男性ばかりだが、ダイバーシティについてどう考えるか。
(糸井さん)
現在はこうなっているが、もっと外国人が入っているとか、若い人や女性が入っているとかは考えの中には入っているので少しずつ見て欲しい。

Q9.国際情勢に変化があるが、事業への影響は?
(糸井さん)
アジア諸国と生産基地をもっていることから影響を受けざるを得ない。
また、市場として関わる時期も近づいているので、そこについても考えている。

Q10.ほぼ日のファンをスタッフとして活用できないか。無報酬でもファンは楽しいのでは?
(糸井さん)
無報酬のボランティアみたいなことを絡めることはしないと思う。
すでにボランティアに近いぐらいで集まってくれている方の気持ちによって助けられている部分もある。

ほぼ日というのは囲い込みはしていない。
じゃあね、と言えて、また会った時に一緒にやろうよ、というゆるい繋がりが僕らのやりたいこと。

質問会の質疑応答(要約)

Q11.糸井さんと言えばゲームだが、何故ゲームアプリを出さないのか。
(糸井さん)
ゲームをやると泥沼になる。
長い期間を大勢が集まって知恵を絞り切って出すという、大博打になる。
ただ、自分が欲しいと思うものを作るのが僕らの基本で、ゲームという名前が付かないけれども、ゲームとして遊べるかも、ということはテストしている。
※糸井さんは過去に任天堂とマザー製作

Q12.アースボールを公開して第三者にもアプリを作れるようにしないのか。
(糸井さん)
いずれ必要だと思っている。
(アースボールには)自分たちの範囲を超えて伸びて欲しい。
どう育てていくかのプロセスで自分なりのアースボールの遊び方を、科学少年達や儲けたい人達が載せていくことを可能性としてみている。
ドコノコとアースボールは世界的な仕事になる可能性があるもの。
焦らずに大きい勝負をすることをいつでも望んでいる。

Q13.アースボールのアプリが音声読み上げに対応していないが対応をお願いしたい。
(糸井さん)
音声読み上げや海外版など基本的な企画は並行してやっている。
順次解決していくと思う。
また、スペックダウンの企画も並行して考えている。
アースボールについては可能性をすごくみているので、長い目でみて欲しい。
(教育現場にも飛び込んでいくか?)
評判はよいが、今の形で作り続けていくというのは数量に限りがある。
広げることに進みすぎるといけない。
※アースボールは手作業での製作みたいです。https://earthball.1101.com/faq/

Q14.岩田さんについてもっと知りたい。
※故任天堂社長、糸井さんと仲が良かった模様。飾り気のない感じの人柄をうまく話されていました。社長になる前も後も態度が何も変わらない、誰に対しても変わらない、っていうのはいいですね。ほぼ日にも顔をよく出していたようで、ほっこりエピソードが出ていました。

Q15.今後のほぼ日手帳の展望は?
(糸井さん)
我々が手帳と呼んでいるものはお客さんによって受け止め方が多岐に渡っている。
中国などではほぼ日手帳で初めて手帳というものを知ったという話があった。
自分の今日を書いていく、明日を書いていくということがあるんだということが分かってみんな使うようになったと言われた。
他にもバッグと同じだと言われた。
バッグを変えるように年の途中で変える。
自分たちが見えていない面から探っていくのが仕事。
ビジネスとしての可能性も含めてお客さんの方が進んでいるのではないかというのを会って勉強している。
そのやりとりの中から生まれてくるという形で広がっている。

Q16.黄色が至る所に使われているが想いを知りたい。
(糸井さん)
本当のところをいうと、だんだんと、そういえばと増えていった。
たまたま何かが黄色だったというのがあって、あれも黄色だったし、これもする?みたいな。
いくつか増えた段階で明るくていいね、となり、東急ハンズさんの方からロフトさんの話を聞いた辺りで、意識的に黄色を使うようになっていった。
うちのやっていることって考えてやっていること半分ぐらいしかない笑

 

笑いが起き続ける株主総会は初めてでした。
糸井さんの姿勢と語り口調に触れてみて、信者量産されるのが分かった気がします。
普段もあのままなら何故か助けたくなっちゃうんじゃないかな。
最後に総会締めの言葉で印象的だった部分です。

(糸井さん)
株主総会をやるとなると様々な指導を受ける。
こういう人がいたらどうするか。
そういう指導を受けるが、僕はそこに力を入れるのは間違っていると思ってる。
僕はそういう人がいたらあたふたしたらいいじゃない、ということを自分に言い聞かせて前回も今回もやった。
いないわけじゃないし、最悪どういうことがあるということを考えないわけじゃないけど、そこに掛けるコストは、いま温かく迎えてくださる方々に向けるべきじゃないかな、と思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA