優待タダ取りにおけるコスト計算

優待タダ取り手順

  1. 権利付き最終日までに現物と信用売りのクロス取引を実施
  2. 権利付き最終日後に信用売りの現渡を実施

ここで掛かるコストが優待よりも低ければタダ取り成功。
ということで要コスト計算。

コスト算出で考慮すべき点は3つ。

    1. 逆日歩
    2. 売買手数料
    3. 信用売りの貸株料

逆日歩

逆日歩は過去の実績から予想。
安全をみるなら一般信用取引(無期限 or 短期)を使う。
ただし、貸株料率が高くなるので貸株料は嵩む。
過去に高額な逆日歩が発生しているようなら一般信用を使った方がよい。
(過去の逆日歩例:4661 オリエンタルランド

売買手数料

売買手数料は証券会社毎に確認。
大きな金額を一括取引する場合は上限が決まっているところが良い。
個人的には大きな金額一括でやるので上限が決まっているSBI証券を使っている(スタンダードプラン)。

信用売りの貸株料

信用売りの貸株料の計算は月末月初に土日休日を挟む場合は注意が必要。
一番少なくて2日分、土日を挟む場合は4日分掛かる(休日も挟むと更に掛かる)。

例えば、2018年9月末優待銘柄の場合(権利付き最終日9/25)
9/25売建約定・現物約定
9/26現渡約定
9/28売建受渡(売建約定の翌々営業日)
9/29土曜
9/30日曜
10/1現渡による返済の受渡(現渡約定の翌々営業日)

となって9/28~10/1まで4日分の貸株料が掛かる。

優待タダ取り例

SBI証券にて、一般信用(短期)を使ってオリエンタルランドのディズニーランド1dayパスを3枚タダ取りする場合。
SBI証券の場合の貸株料率
制度信用1.15%(逆日歩発生の可能性あるけど貸株料率は低い)
一般信用(無期限)2.00%(逆日歩発生なし、売建可能銘柄少)
一般信用(短期)3.90%(逆日歩発生なし、売建可能銘柄多)

1dayパス3枚取得するにはオリエンタルランドの株式が1,200株必要。
オリエンタルランドは過去に高額な逆日歩が発生しているので安全のため一般信用(短期)を使う。
※一般信用(無期限)の方が貸株料率低いのでよいが、オリエンタルランドは無期限の取り扱いがない。

9/25寄付に現物と信用売のクロス(9/25の寄り付き株価11,700円)
現物買11,700円×1,200株=14,040,000円(買付手数料994円)
信用売11,700円×1,200株=14,040,000円(信用手数料378円)

9/26現渡(手数料0円)
9/28売建受渡~10/1返済売渡で4日分の貸株料
建代金14,040,000円×3.90%×4日/365=6,000円

以上から、優待タダ取りで掛かった諸経費は、
994円(現物買付)+378円(信用売建)+6,000円(貸株料)=7,372円
ディズニーランドの1dayパスは1枚7,400円なので、1dayパス3枚取得して2枚分がタダで取得できた計算になる。

今回のオリエンタルランドの例では1400万円の資金で1.4万円分なので利回り0.1%。
手間をどう考えるかと資金量次第だが、単元狙いで優待利回りのよい銘柄を複数取得すれば利回り1%以上も可能かと。

小数点切り上げによる節税効果

ちなみに、諸経費分(上の例だと7,372円)の他に買付単価の小数点以下切り上げ効果が入るので税金を考慮すると2枚+αでお得。

※買付単価の小数点以下切り上げ効果
「特定預り」で購入した株式などの「取得単価」は、買付時手数料、消費税などの費用を含めた金額を基に算出し、小数点以下となった場合は小数点以下を切り上げた価格が「取得単価」となる

この切り上げ効果、株数が多いほどお得(低位株でやると・・・)。
今回のオリエンタルランドの例だと、
現物買付の諸経費込みの金額は14,040,994円
なので、買付単価は14,040,994円÷1,200株=11,701円(小数点以下切上げ)
対して現渡単価は11,700円
小数点切り上げで買付単価が1円高くなり、譲渡損は(11,700円-11,701円)×1,200株=1,200円
実際に掛かった諸経費も譲渡損になるから、譲渡損の総額は6,378円+1,200円=7,578円(※現物買付手数料の994円は買付単価で算入済み)
株式の税率は20%、譲渡損分だけ利益減るから、税額としては7578*20%=1,515円分減る。

株式市場にはお金が落ちている、というか手間分をコストとしてノーリスクでお得に手に入るのが優待タダ取り。
ただ、現渡を忘れたり、逆日歩地獄に落ちると損するけどね。

9月の優待クロス銘柄と逆日歩メモ

2018/9月期末決算銘柄の権利付最終日は9/25
株主優待は優待クロスでお得に取得できますが、高額な逆日歩がつく銘柄に注意が必要です。
逆日歩銘柄は制度信用ではなく、一般信用で取得がお勧め。
ということで、9月の注目優待銘柄

  • 4661 オリエンタルランド ディズニー1dayパス、1枚~※400株以上
  • 7412 アトム 優待ポイント、2,000円相当~
  • 7550 ゼンショー、1,000円相当~
  • 7616 コロワイド、優待ポイント、10,000円相当※500株以上
  • 9201 全日空 運賃50%割、1枚~※200株以上
  • 9202 ANA 運賃50%割、1枚~
  • 9936 王将 食事券2,000円相当~※9月は5%割引カードなし
  • 9943 ココス 食事券1,000円相当~+5%割引カード

ディズニー1dayパスポートは利回り低め。今年は3,000万程度あれば2400株で6枚まで取得可能。
ANAは早期割引と比べて割引率にメリットないけど、汎用性高い。換金性能も高い。
全日空もANAと基本同じ。ただし、3月権利と違って9月は200株以上から1枚。
ココスは食事券の他にココスで使える5%割引カードも手に入る(200株なら10%割引カード)。

9月優待銘柄の逆日歩情報

4661 オリエンタルランドの逆日歩情報

2014年に10円。今年3月は3日で3.3円、去年は3日で3.6円。

7412 アトムの逆日歩情報

2013年に16円。今年の3月は3日で1.05円と平穏だったようです。

7550 ゼンショーの逆日歩情報

2013年の24円を筆頭に9月は3年連続で高額付いたようです。今年の3月は3日で2.1円と比較的平穏。

7616 コロワイドの逆日歩情報

これまた2013年に高額叩きだしています。単元500株時代に23.5円。去年の3月は3日で61.5円。

9201 全日空の逆日歩情報

今年の3月が筆頭で8.4円(3日)。去年9月も7.5円(3日)で逆日歩付きやすくなっているのでしょうか。

9202 ANAの逆日歩情報

直近逆転ですが、過去は全日空よりANAの方が逆日歩高く付く傾向。

9936 王将の逆日歩情報

2014年の10円を筆頭に基本付くようです。

9943 ココスの逆日歩情報

近年高額連発で2017年には100円超え。

8月の優待クロス銘柄と逆日歩メモ

2018/8月期末決算銘柄の権利付最終日は8/28
株主優待は優待クロスでお得に取得できますが、高額な逆日歩がつく銘柄に注意が必要です。
逆日歩銘柄は制度信用ではなく、一般信用で取得がお勧め。
ということで、8月の注目優待銘柄

  • 2157 コシダカ 株主優待券、2,000円相当~※400株以上でカタログギフト有
  • 2305 スタジオアリス 株主写真撮影券、1枚~
  • 3046 ジンズ 買物優待券、5,000円相当~
  • 3048 ビックカメラ 買物優待券、1,000円分~
  • 3063 ジェイグループホールディングス 食事券、2,000円相当~※芋蔵など
  • 3387 クリエイト・レストランツ HD 食事券、3,000円相当~
  • 3543 コメダ 自社電子マネー、1,000円相当
  • 7581 サイゼリヤ 食事券等、2,000円相当~
  • 7630 壱番屋 優待券、1,000円相当~※ココイチ
  • 8200 リンガーハット 食事優待券、1,080円分~
  • 8267 イオン 優待カード、3%~
  • 9861 吉野家 飲食券、3,000円分~
  • 9979 大庄 飲食券・産直品、2,500円相当~

8月優待銘柄の逆日歩情報

2157 コシダカの逆日歩情報

2015年の20円を筆頭に高額叩きだしてます。
去年はランク外ですが1.35円。

2305 スタジオアリスの逆日歩情報

決算期変更で去年までは6月権利だったと思います。
発生しても0.05円が多いようですが、2014年の19円が怖い。

3046 ジンズの逆日歩情報

去年は0.15円で済みましたが、2016年の76.80円はツライ。

3048 ビックカメラの逆日歩情報

去年が1.10円で筆頭。

3063 ジェイグループホールディングスの逆日歩情報

2月権利で高額でてます。16円。
去年の権利日も14.40円。

3387 クリエイト・レストランツ HDの逆日歩情報

2月権利で8.5円、2015年は20円発生しています。
ちなみに去年8月は1.45円。

3543 コメダの逆日歩情報

これまで逆日歩発生なし、というか制度信用で売れません。
一般信用で取扱いのある証券会社でクロス一択。

7581 サイゼリヤの逆日歩情報

2016年の3円が筆頭。

7630 壱番屋の逆日歩情報

ここも2017年から決算期変更ですね。
2016年までは5月と11月だったので、2016年の5月に56.80円叩きだしています。

8200 リンガーハットの逆日歩情報

2月も権利日です。
2016年2月の18円を筆頭に高額安定。

8267 イオンの逆日歩情報

2.5円が筆頭。

9861 吉野家の逆日歩情報

2016年に24円、2013年に3日分で60円がでています。

9979 大庄の逆日歩情報

今年の2月権利で16円、2016年には21円。