6535 アイモバイル株主総会 質疑応答メモ(2018年10月26日開催)

アイモバイルの株主総会が2018年10月26日の10時から開催されました。
場所は渋谷のTKPガーデンシティ渋谷の1階「ホールA」

元々はインターネット広告事業(アドネットワーク事業)が主軸の会社です。
現在はインターネット広告事業とコンシューマ事業の両輪である、と社長さん強調。
実際、ふるさと納税サイト「ふるなび」が急成長しています。
これ利益率が良くてこのまま伸びるならおいしい事業。
ちなみにAmazonギフト券が寄付額の1%付くキャンペーンやっていたので私も利用しました。
株価は自社株買い発表しても下落していくという悲惨な状況。
最近売られているのはふるさと納税見直しによる規制方針も影響しているのかな。
この辺を心配してか、規制の影響についての質問がでていました。

アドネットワークに関してはGoogleのアドセンスが有名。
海外は知りませんが日本においてはアドセンス一強です。
なので他はモバイル特化型かアダルト・グレー系に活路見出している感じです。
で、アイモバイルはアダルト・グレー系のイメージ。
巷で漫画村問題が話題になった際、ネット上の記事で広告出稿企業としてアイモバイルの名前が挙がっていました。
なので、漫画村に広告出していたというのは事実か?という質問も。

業績は売上高順調で利益横ばい。
会社説明では「新規事業への投資拡大に伴い」とのこと。
営業利益率(青)、販管費率(赤)、売上原価率(黄)。(6535 アイモバイル業績

2016年7月期から徐々に販管費率(赤)が増えています。
11%→14%,16%,20%

販管費の割合が増えすぎていて売上原価率(黄)は下がっていますけど、絶対額では20億ぐらい増えています。
広告事業の原価上昇はずっと続くんじゃないかな。
質問に対する回答で、アドセンス広告も含めて最適なものを表示云々言っていたので、要は仲介の更に仲介しているだけかな。
売上が伸びていても薄利多売になっているならあまり宜しくはないかと。
ちなみにふるなびは利益率が高いのでそっちが伸びるとおいしい。

販管費の増加は主に給与及び手当と広告宣伝費でしょうか。
給料及び手当(青)と広告宣伝費(赤)を抜き出し。(給料及び手当、広告宣伝費

広告宣伝費が2016→2018で3.5億ほど増えています。
広告事業の減益要因を原価率悪化と言っていたので、広告宣伝費は主にコンシューマ事業のプロモーション費用でしょう。
シェア20%を目指すとのこと。

人件費の方は、従業員の推移みたら2016年38名、2017年45名、2018年80名とすごい増えてます。
決算資料見る限りM&Aによる増加のようです、、、と思ったのですが、単体も増えているな。(従業員数の推移

事業報告他30分、質疑応答30分ほどで終了。
株主総会後に事業説明会も開催されて大体40分ほどで終了しました。
基本野口社長が回答していました。

質疑応答(要約)

Q1.株主優待。パソコンを持っていない株主は株主優待を受けられないのか?
株主優待としてふるなびグルメポイントを贈呈している。
これはふるなびのサービスの一部で、弊社のサービスをより良く知って頂くため。
少しずつブラッシュアップしてなるべく多くの株主が利用できる形で提供していきたい。

Q2.ふるなび。総務省の返礼品規制について。
ふるさと納税制度は継続する見込みは非常に強い。
弊社のサービスは寄付総額とリンクしていると考えて貰ってよい。
PR強化してこの寄付総額からのシェア20%を目指す。
返礼品に関しては自治体。
総務省の厳しい通達もあって自治体側もふるさと納税制度の継続のために協力的。
ふるなびは自治体ありきのサービスなのでまず自治体の要望を受けとめながら、総務省とも協力していく。

Q3.現金をたくさん持っているが使い道は?
現金として110億以上ある。
使い道として大きくは新規事業投資、M&A。
コンシューマ事業は投資先行型のビジネス。
手元資金を厚く持つことはコンシューマ事業を拡大する上で必要不可欠と考える。
M&Aについても、複数の案件を並列的に検討している。
買える会社について案件が持ち込まれる。
資金を確保しておくことはM&Aを円滑に行う上で必要。

Q4-1.広告事業の減益要因は?
アドネットワーク事業は競争の激化で市場全体として利益率が低下の傾向。
売上は増加しているが仕入れ原価もあがり、これまで得られていた売上総利益率が達成できていない。

Q4-2.M&Aの対象は?
ユーザとのエンゲージメントが強く、一定規模の会員を持っているようなコンシューマサービスを獲得したい。
また、M&Aで獲得するだけでなく自社でもテッパンなどの新規事業を拡大していく。

Q5-1.株主優待。満遍なく株主が恩恵を受けるようにして欲しい。
ご意見参考にします。

Q5-2.監査。不祥事を起こす会社が度々あるが、どのような点を重点的に行っているか。
我々の提供している広告サービスでの売上が会計の方に正しくアウトプットされているか重点的にやっている。
また、社内のオペレーションで問題がないか、監査法人と協力してやっている。

Q6-1.広告事業。Googleアドセンスとのすみわけは?
競合ではあるが、我々の使命はメディアの収益最大化。
メディアの広告枠を預かって、Googleのアドセンスを表示させる場合もある。
アイモバイルの広告とアドセンス、どちらがメディアの収益に繋がるかを日々計測して最適化させている。

Q6-2.動画広告の競合は?
競合は居るが社名は差し控える。
弊社の強みはアプリ内の全面動画広告の配信。

Q6-3.漫画村への広告出稿の記事が出回ったが事実か。事業への影響は?
(溝田取締役副社長)
事業への影響はない。
当社としても著作権侵害サイトに対して広告が出稿されないよう対策している。
社内では審査部にて広告原稿・メディアのすべてを目視確認でチェックすると共に、広告審査委員会を設けて継続的に審査基準の見直しを行っている。
また、社外の複数の機関にも目視・機械にて第三者チェックを依頼している。
(社長)
弊社としては著作権違反のメディアに広告を配信することはあってはいけないことだと認識している。
漫画村の問題では、一部のWebライターからの質問に回答したものが記事として出回っていた。
実際に漫画村で広告の配信をその時点でしていない。
※質問に回答したものっていうのはこれのことかな?

Q7.減損損失の内容は?
(富重取締役)
ひとつは連結子会社のEvoryが保有するソフトウェアの使用停止によるもの。
もうひとつは連結子会社のTAGGYののれん。
(社長)
開発費用・維持費用・機能拡張性の面から比較して、Evory社のDSPのシステムではなく前期に買収したTAGGY社のシステムを継続して使う方がよいと判断した。
TAGGY社ののれんは、TAGGY社の新規事業が当初の計画から遅延している点を鑑みて減損した。

Q8.株主還元の方針は?
自社株買いは先日発表の通り、4億を上限として実施。
これは我々としては現状の株価は適正水準にないという考え。
今後のM&Aでの株式交換などを含めた資本戦略の中の一環として、自社株買いを実施していきたいと考えている。
また、配当に関しては現時点では保守的。
弊社は既にインターネット広告事業だけの会社ではない。
インターネット広告事業とコンシューマ事業の2つを両輪として成長し、安定するところまで投資をしていかなければいけない。
配当の検討はしているが、理解して欲しい。

事業説明会後の質疑応答(要約)

Q9.ふるなびの差別化は?
寄付をする時だけではなく、日々使われるサービスにしたい。
現在ふるなびを経由することでポイントが貯まる仕組みをやっている。
ふるなびのユーザ層を分析してどういったサービスを提供すればふるなびを好きになって貰えるか考えていく。

Q10.テッパン。知られていない名店を紹介していくとあったが、質の担保はどうやるのか?
テッパンの一番の狙いはコンシェルジュサービス。
LINE連携で、条件を提示すればコンシェルジュがお店を紹介する。
お店の質の担保は確かに難しい問題。
実際に営業でお店を訪問するなどして情報を集めていく。

Q11.営業利益率の目標は?
インターネット広告事業の方は粗利率が低下し、営業利益率の方も低下している状態。
一方でコンシューマ事業の方は遥かに異なり、高い営業利益率の事業となっている。
今期予想はコンシューマ事業に対する大規模なプロモーション投資を前提として組んでおり、この投資がどの程度売上や利益率に貢献するのか不透明なため保守的にみている。
最終的な営業利益率の着地点としては、コンシューマ事業の方は50%を超えるような営業利益率、インターネット広告事業の方は10%を切る営業利益率。
ミックスの形になるので10%後半から20%前半ぐらいの営業利益率を維持できれば健全な経営が出来ているのではないかと考えている。
そのためにはコンシューマ事業の売上を伸ばしていかなければいけない。

Q12.テッパンの黒字転換はいつ頃か。見通しを教えてほしい。
月間予約代金を1億ぐらい獲得できれば単月黒字化も見えてくると思う。
意気込みとしては1年半ぐらい。

Q13.コンシューマ事業。全サービス合算で会員数1,000万人を目標としているが内訳は?
多様なユーザデータを持つことで、多様な広告主の広告配信の助けになると考えている。
例えば10代の女性ばかりのサービスが作れたとしても、紹介したい商品が40代男性向けであれば役に立たない。
なので、満遍なく集めていきたいと考えている。
1つのサービスが広い属性ガバレッジを持つことはあまりないので、100万~200万人のサービスを6,7個、非常にエッジの効いたサービスなら10万人のサービスでもいいので、獲得していきたい。

Q14.全サービス合算で会員数1,000万人は重複込みか?
サービスを使っている“人”が大事だと考えており、目指すところは重複なしで1,000万人。
ただ、現時点において厳密に重複をカウントしていくつもりはない。

Q15.テッパンのインバウンド対応は?
インバウンドについては常に考えている。
海外から日本にくる方が非常に多くなっており、日本でよい体験をしたいという中にグルメがある。
事業計画にはまだ明確には載っていないが、いつかは通らなければならない道だと考えている。

社長さんは最初緊張が見えましたが、質疑応答の時には落ち着いて丁寧に回答していました。
他の取締役に振った際にも株主の欲していた回答になるよう、しっかりフォローしていて個人的に好印象。
切れ者というよりは熟考型の人な感じ。

頼りないと感じた株主が居たようで「社長さんに自信というものが感じられない!」といった発言もありました。
どこぞのgomi社長みたいに自信だけの人も居るから関係ないよね。

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