8938 LCホールディングス株主総会 質疑応答メモ(2019年6月27日開催)

LCホールディングスの株主総会が2019年6月27日の10時から開催されました。
場所は両国の第一ホテル両国 5階「清澄」です。

もとは倉庫などの不動産賃貸がメインの会社、いまは病院関連事業に業態転換中。
今期中に賃貸不動産売って病院に一本化する算段のようです。
なお、病院関連の不動産は今後も扱いますが、病院不動産は医療法人に属するとのこと。
医療法人は連結対象外のため、病院不動産の売却益は収益にカウントされません。
業態転換に伴って、社名も「グローム・ホールディングス株式会社」に変更されます(2019/10/1)。
グロームはGlobal(世界) + Medical(医療)からの造語だそうです。

社長はダヴィンチで脚光を浴びた金子さん。
資金調達に定評あって、ダヴィンチ時代はあちこちからお金引っ張ってきていました。
金子さんが表舞台に登場することになったのは前社長の本庄さんがインサイダーで問題起こしたため。

就任時の説明会では「有終の美を飾りたい」とおっしゃってました。
ダヴィンチは不動産業界席捲した後にリーマンショックで業績悪化、2010年に上場廃止しています。
ケネクリ3年ダヴィ8年と揶揄されたように癖の悪い投資先だったようで。

病院事業については、金子さんの海外経験から着想しているようです。
お医者さんは医療に専念し経営は経営のプロに、ということで、医療法人を事業継承して、経営支援でフィー収入を得つつ、病院不動産の運用や周辺ビジネスで収益を上げていく形のようです。
高齢者医療を日本で完成させて、将来的には海外展開も視野にいれているみたいです。
「ビジネスモデル構築から3年、ようやく信用力があがってきた」とのことなので、今後に期待のできる総会だったと思います。

事業報告他30分、質疑応答1時間ほどで終了。
質問がなくなるまで答えていました。
Q1以外はすべて社長の金子さんが回答。

質疑応答(要約)

Q1.取締役の方々の役割を教えて欲しい。
(金子さん)
青山:日本でかなりの医療法人の監査をしている。
小山:病院事業継承のアンダーライト(引受)と病院不動産の売却を担当。
橋本:事務長や病院再建など、長年病院経営に携わっている。青山と共に医療法人継承の情報収集に当たる。
鬼木:病院不動産の資産管理、バリューアップ。病院不動産は他の不動産のバリューアップとはだいぶ違う。

(追加で質問)各人からコメント欲しい。
(青山さん)
取得の医療法人の健全化。うちらしい特色のサービスを出す。いかに利益体質にもっていくか。

(小山さん)
病院取得の見極め。医療法人のオペレーションとしての価値、不動産としての価値を見極める。
また、出口の流動化。病院は始まったばかりなのでマーケットを構築しながらやっていく。

(橋本さん)
LCメディコムを中心に病院の取得と経営。今まで大小さまざまな病院に関わった経験を活かす。

(鬼木さん)
病院の機能維持・機能転換、バリューアップをやっていく。設計事務所や外資で不動産投資などを経験。

Q2-1.病床取得の遅延理由
話はたくさんもらっている。
ビジネスモデル構築から3年、最初の1年は1つも買えなかったが今は信用力があがり、売り手から話がくるようになった。
内容も非常にいいものがくる。
今後は早くなるが、売る不動産がたくさんあるので人手不足。

Q2-2.キーマン3人が離脱した場合の影響
初年度が一番大変だった。
根幹は継承法人のシステム化。
一度作ればかなりの部分をマニュアル化可能で、持続可能。
海外事業もあるので、いま欠員は困るが将来は平気。
※以前からキーマンとして青山、小山、橋本の3人を挙げている

Q2-3.周辺ビジネスについて
目的はふたつ。
ひとつは追加の収益。今季は1億ちょっと。
もうひとつはEBITDA。
いまの株価はEBITDA3倍、医療関連事業のEBITDAは50倍。不動産業という低いEBITDAから医療関連事業という高いEBITDAにもっていきたい。
病院事業は供給がなくて需要が増える。日本でそうはないビジネスチャンス。

Q3-1.プラットフォーム完成時の利益率
医療法人はコスト削減も営業もしていない云々。
※質問の意図を把握していない回答だった

Q3-2.リートや私募ファンドの組成遅延
簡単にいうと金融機関。医療法人は地銀の独壇場。ファンドをするには全国的な金融機関が必要になり、金融機関の教育が必要。
なので、方向転換して地域の投資家などにそのまま売る方向で進んでいる。
病院不動産は比較検討できる対象がないのも問題あった。

Q3-3.競合
医療法人の事業継承に特化した企業はない。
病床数130万床あるのに、いちばん大きいのが6万床で国、赤十字が4万床。
2~30年前の日本の小売業みたいな感じで、経営統合が進まないと事業継承者がいなくなる。
2400床は10位に入っていないと思う。

Q4.病院不動産のオフバランス化。
リートに適する不動産と適さない不動産がある。売りやすい形でやっていく。

Q5.バリューアップは何をするのか。
継承した医療法人をエンタープライズ(事業)と病院不動産に分ける。
不動産は綺麗にして価値をあげると高く売れるが時間が掛かるので、そのまま売っても儲かる価格で買ってくる。
売り方は20年間のリースバックとして売る(売却して賃貸契約を結ぶ)。
医療法人ごとの収益安定性をみて不動産売却と賃貸契約を行い、集まった医療法人からは経営指導料を貰うというのが我々のビジネスモデル。
※ここは大部要約しています。医療法人のEBITDAに対する割合で説明していました。

Q6-1.レンディングは今後も活用するのか。
いままでの不動産を売却するので減っていくが、ニーズについては今期見極める。

Q6-2.今期見通しの利益内訳
売却不動産によるものが多い。今期辺りから医療法人からの収益と逆転していく。
医療法人は連結対象外なので、フィー収入になり、減収増益のビジネスモデルになる。

Q6-3.中計最終年度の売上と利益の予想は医療関連のみか。
※話が噛み合っていなかったので割愛。Q8で別の人が改めて質問。

Q7-1.オフバランスした病院不動産はあるのか。
まだオフバランスした病院不動産はない。
現在はこれまで持っていたノンコア事業の不動産を売っている。
なお、病院不動産については医療法人が持っているので、売却利益は医療法人に属するようになる。

Q7-2.医療法人を所有するとはどういうことか。
医療法人は個人か一般社団法人が所有できる。我々は一般社団法人を通して所有。

Q8.中計の最終にノンコア事業の不動産売却益は入るのか?
ノンコア事業の不動産は全部売る。
来期からは全部医療法人を通しての収益になる。
中計参考

株主が質問している途中でさえぎって話し始めたりとせっかちな社長さんですが、総会の雰囲気は総じて良かったです。
話が噛み合わず、ん?という場面はありましたが、しっかり説明しようとしていました。
業態転換上手くいくのか、が焦点だったろうと思いますが、将来性に期待の持てる総会だったと思います。

2193 クックパッド株主総会 質疑応答メモ(2019年3月26日開催)

クックパッドの株主総会が2019年3月26日の10時から開催されました。
場所は恵比寿ガーデンプレイス内「ザ・ガーデンホール」です。

ご存知料理レシピサイト最強のクックパッドです。
爆騰快進撃だった穐田体制から一転して下落の一途をたどる岩田体制。
佐野さんの議決権力で穐田多角化方針を打ち破り、今は料理ひとすじ夢と希望のミッションを掲げて邁進中です。
10年間は投資期間!の大号令の元、利益は度外視の模様。
なので業績は低調、株価は空売り勢にとって夢の逆テンバガーを達成しました。
更にここから半分も期待させる銘柄です。

株主としては漠然としたミッションを掲げるだけでなく、もっと将来をイメージさせて欲しいところ。
なので、あの手この手で将来についての話を引き出そうと質問がされていました。
全部ミッションの繰り返しでかわされて夢を崩されていましたが笑
本当にミッション達成で海外事業が成長すれば、逆テンバガーから復活テンバガー余裕な銘柄でもあります。
あとはミッションひとすじの経営陣を信じるかどうかですね。

ひとつ期待できると思った点は、分かりやすいミッションを掲げたので海外の人材採用で訴求しやすくなったこと。
共感する人が入ってきてくれると。
夢の達成には人への投資が一番大事と言っていたので、やる気ある優秀な人材が本当に集まっているならプラス要因でしょう。
人増えた分の経費をどうやって埋め合わせていくのか不明ですが。

事業報告他15分、質疑応答1時間30分ほどで終了。
質問がなくなるまで答えていました。
基本社長の岩田さんが回答。
他に回答した人は社外取締役の北川さん。
質問者が佐野さんと伊賀さんを回答者として指名した際にもお二人が回答していました。
様子をみる素振りもなかったので最初から回答する人を決めていたと思われます。

質疑応答(要約)

Q1.海外クックパッドにアドセンス広告が表示されていたが、広告を表示しているのは何か国か?
(岩田さん)
海外は同じプラットフォームで展開しており、サービス開発優先で基本的に広告はやらない。
表示されていたのは買収したところのものが残っていた。

Q2.利益が減っているが、競合のせいか。今後の見通しは?
(岩田さん)
レシピサイトは競合が多くいるが、企業として一番の競合は検索サービス(google)やインスタグラムなど。
クックパッドを使いたいというユーザを増やす必要がある。
10年間投資フェーズとして続けていく。

Q3.直近(1月~3月)の営業状況は?
(岩田さん)
業績見通しは出さない。
投資期間フェーズであり、大胆な投資を機動的にやっていくことが重要と考えている。

Q4.広報活動(バーチャルユーチューバーなど)の方針は?
(岩田さん)
ユーザの声を聞きながら、様々な企画を展開する。

Q5.無料ユーザを有料ユーザに誘導する施策は?
(岩田さん)
試行錯誤している段階で、みんなに使って貰える形を模索中。

Q6.平均勤続年数が2.1年と短いが、どう考える?
(岩田さん)
要因は海外での積極採用。
新しい人がたくさん入っているため。

Q7.社外取締役からみた今のクックパッドの雰囲気は?
(質問者は社外取締役の伊賀泰代さんを指名したが、岩田さんが社外取締役の代表である北川さんを指名)
(北川さん)
議論を活発にしている。
課題としては取締役の数が少なく、万が一の事故が心配。

Q8.10年投資期ということで利益が減るのは分かるが、売上が下がるのは何故か?
(岩田さん)
サービス開発を優先する関係で、広告事業が下がっているため。
また、会員事業のレベニューシェアが減っている。
レベニューシェアよりは自社のプレミアムサービスを増やしていきたい。

Q9-1.海外事業の広告収入はいつ頃からあがるか?
(岩田さん)
継続課金のみで今は考えていない。

Q9-2.海外展開。共通プラットフォームについて。
(岩田さん)
日本以外の国は共通プラットフォームでやる。
ユーザ投稿型なのでユーザが自国の言語を使って投稿し、翻訳は要らない。
一つのやり方で展開できる。

Q9-3.料理以外での展開は?
(岩田さん)
料理の分野から出るつもりはない。
ただ、料理は生産から流通、食卓、廃棄まであるので幅広い。

Q10.投資フェーズが2年経った。自己評価は?
(岩田さん)
ミッション明確化で人材採用は順調。
サービスは失敗もたくさんして課題を見つけている段階。
具体化して挑戦していく。

Q11.岩田社長は何故自社株を持っていないのか?
(岩田さん)
毎日の料理を楽しみにする、これを実現することが私のミッション。
これは自社株を持っていようが持ってなかろうが、そのために邁進していく。

Q12.10年間投資フェーズとのことだが、現金が増え続けているのは何故か?
(岩田さん)
10年間必要な現金を確保してやっていく体制を作っている。

Q13.クックパッド創業は佐野さんが健康に気を掛けて始めたと聞いている。クックパッドに健康に重要な要素(カロリーなど)がないのは何故か?
(岩田さん)
いつも悩んでいる内容で専門家とも話している。
ただ、正しくない情報は載せたくない。
カロリーや塩分は人によって異なり、健康にどのぐらいがよいと言い切れない。
大量に同じものを体の中にいれない、というのは健康に良いと信じられるが、特定のものを押すことはできないので、今の状態。

Q14.15年に全役員を解任し、2,000円台の株価が200円台になった。中長期ビジョンが出てこないためではないか?
(岩田さん)
投資フェーズなので将来の開示はしない。

Q15.投資フェーズだからといって何でもやっていい訳ではない。上場企業はビジョンを示すべきでは?
(岩田さん)
毎日の料理を楽しくする、を実現するために邁進する。
※質問を簡潔に記していますが実際はもっと語る質問で株主から自然に拍手が起きました。そして岩田さんの回答にみんな失笑。

Q16.ストックオプションの内訳。2016年以降の発行、佐野さんへの割り当てはいくつか?
(岩田さん)
総報酬が1億円を超えた場合は開示義務があるが、個別のストックオプションの開示はおこなっていない。

Q17.クックパッドマート。オイシックスのように直配しないのか?
(岩田さん)
送料無料で拠点に配達している。
産地直送はトライしたが、物流コストが掛かるので、違う展開としてやっている。
ミールキットではなく、一点からで違うニーズを拾う。
※クックパッドマートは置き配型。

Q18.ミッション完了で解散するとあるが、その場合どうなるか?
(岩田さん)
クックパッドが何のためにあるのかを明確にするためのもの。
海外でメンバーを集める際に最も分かりやすいメッセージ。

Q19.市場評価が低いと思うが、上げるための施策は?
(岩田さん)
長期の企業価値最大化が目標。
そのための積極投資で、メインは人員への投資。

Q20.三菱商事がクックパッドTVへ出資した意図は?
(岩田さん)
共同で話をしている中では、ストアTV(サイネージ)などで大きなシェアを取れるのではないか、という意図。
また海外販路を利用できる。

Q21.解散されたら寂しいが、本当に解散するのか?
(岩田さん)
意気込みとしてのもの。

Q22.通期予想を出さない適切な理由を教えて。
(岩田さん)
予想を出すとそれが目標になってしまう。
中期目標として100か国でNO.1としているが、これもそれが目的ではなくて、正しいことをやってその結果なるのがよい。

Q23.(岩田さんが)代表に就任して逆テンバガーだが、代表としてどうコミットしているか?
(岩田さん)
毎日の料理を楽しくする、それを判断基準として、目指してやっていく。

Q24.売上・利益が下がっているが、想定通りの結果か?(質問者が社外取締役を指名)
(北川さん)
社内の計画として、売上等の数値で目標を出していない。
ユーザ関連の数値は目標としている。

Q25.採用。総合職は今も採ってる?
(岩田さん)
中途は採っている。
新卒はプロダクト特化。

Q26.有意義な株主総会にしてください!
(岩田さん)
ご意見参考にします。

Q27.東証一部に残れるか?(東証一部の条件が変更になる報道があるため)
(岩田さん)
まだルールが決まっていないから不明。

Q28.Googleなど検索サービスを使うとレシピがすぐに見つかる。有料会員になるメリットがないのでは?
(岩田さん)
レシピが見つかるのはその通りだが、それは昔からで、いま会員は200万人居る。
メリットがあると考えているが、もっとユーザのために作っていく。

なんというか、エリアクエストよりマイルドに舐めてる感じの総会でした笑
株価逆テンバガーなので、激おこ株主満載を期待していたんですが、全然いなかったですね。

7034 プロレドパートナーズ株主総会 質疑応答メモ(2019年1月24日開催)

プロレドパートナーズの株主総会が2019年1月24日の10時から開催されました。
場所は浜松町の芝パークホテル別館 2階「ローズ」です。

2018年7月にIPOした会社で設立は2008年。
レンタルオフィスに取締役の山本さんと二人で創業。
社長の佐谷さんは元ファンドマネージャーで、総会の最初に創業のきっかけを説明されていました。
以下要約。

  • リーマンショック時に手掛けていた商業施設開発で退店希望のテナント(食品スーパー)が発生。
  • しかし契約上違約金が多大に掛かることから、止む無く赤字の少ない店舗を複数閉鎖に。
  • 食品スーパーも閉鎖された店舗の周辺住民も困窮。
  • 自分が提供している価値と対価、食品スーパーが提供してきた価値と対価はこれでいいのか。
  • 価値ある会社をサポートできないか。
  • サポートする以上は価値=対価であるべき→成果報酬のコンサルティングで創業。

成果報酬型のコンサルティングというのは珍しいようです。
創業初期は成果の部分で顧客と齟齬もあったようですね。
1000万のコスト削減できたと思ったら、顧客は100万のコスト削減という認識だった等。
基本顧客側の意向に沿って対応したが、改善を繰り返して今はほぼないとのこと。
その他、固定報酬型のコンサルティング会社には中々参入し難い事由があるようです。

業績は文句ない伸び(7034 プロレドパートナーズ業績)。

5年で売上高10倍にならなかったら代表辞任すると大言壮語しているだけはあります。
需要は2兆!とかあったので本当か、と思ったら「固定報酬が成果報酬にすべて置き換わったら」ということのようですね。
いずれにしろ需要はあるだろうし、削減分から対価払う成果報酬なら敷居も低い。
あとはコンサルなので人を確保できるか、ですね。
その辺はやはり気になるようで、人材についての質問が出ていました。

事業報告他30分、質疑応答30分ほどで終了。
質問がなくなるまで答えていました。
基本社長の佐谷さんが回答。
営業系は山本さん(営業本部長)、コンサル系は遠藤さん(コンサルティング部長)が回答。

質疑応答(要約)

Q1.第三四半期から第四四半期で売上は伸びているのに利益が抑えられているが何故か?
(社長さん)
今後の成長のために投資をした。
特に人材の採用。

Q2.クライアントの業種・規模は?
(社長さん)
クライアントの規模は売上100億~5000億ぐらいがターゲット。
成果報酬だとある程度の規模が必要。
上場することでより多くの企業から依頼がくる。
業種は小売りが多かったが、今はメーカー等様々。
※当初に小売りが多かったのは社長さんの繋がりっぽい

Q3-1.市場規模2兆円という話があったが、将来のシェアとその時の社員数の見込みは?
(社長さん)
市場規模の2兆円というのは固定報酬がすべて成果報酬へ変わった場合の想定。
固定報酬のコンサルがなくなるとしてもかなり先の話なので予測できない。
成果報酬のコンサルティング市場は5~10年でかなりの規模になるとは思っている。
シェアの想定はしていないが、成果報酬でシェアNo.1のポジションを築いていく。
社員数についても予測できない。

Q3-2.現在16億の売上で人員は79人だが、今後売上が伸びた際はどうなるか?
(社長さん)
コストマネジメントの削減率を開示しているが、毎年あがっている。
一人当たりの売上高もあがっている。
だから同じ割合で要るというわけではない。
ただ、将来を考えて投資をしていくから、売上高に対する人員の割合が減るとは限らない。

Q4.景気が悪くなった場合の影響は?
(社長さん)
成果報酬なので予算を取る必要がない。
なので景気が悪い方が依頼は増えると思う。

Q5-1.営業人員の立ち上げ期間は?
(山本さん)
新卒はコンサルタントで営業は中途のプロフェッショナルを採用。
なので、1ヶ月ほどで売れるようにはなる。
ただ、プロジェクトが始まってから成果がでるまでに一定期間かかるので、入社が決まってから1年後ぐらいに売上があがってくる。

Q5-2.今後2~3年での人員増計画は?
(社長さん)
採用に関しては役員全員で対応している。
今後も積極的に採用を続けていく。
中長期計画の数字は開示していないのでご理解願いたい。

Q5-3.前期の営業利益率37%は5~10年をみた場合に高い数値か?
(社長さん)
将来とのバランスなので曖昧になってしまうが、成長と株主の期待に応えられる実績を出していく。

Q6.新卒はコンサルとのことだが、戦力になる期間は?
(遠藤さん)
コンサルティングの人員は中途と新卒が半々。
新卒の場合、通常のコンサルティングでは2~3年は必要だと思うが、我々は6ヶ月ぐらい。
我々は間接材のコストマネージメントに絞っており、その中でもさらに領域を絞るので立ち上がりが早い。
また、通常のコンサルティングは上司について職人芸的に学ぶが、我々は社内のDBにノウハウを共有して活用している。
(社長さん)
私も新卒でコンサルティング会社に入って、3ヶ月ごとにまったく違う仕事に携わり、3ヶ月前の経験が使えなかった。
我々はサービスを絞ることでよりクオリティの高いサービスを提供できると考えており、それを一人のメンバーが深堀していく。
それが早く戦力化できている要因だと思う。

Q7-1.社外取締役の立場からみて重要な課題を教えてほしい。
(安藤さん・プロ経営者)
すべて重要な課題だが、一番根っこになっているのは人材。
人材の質によってサービスの質はダイレクトに効いてくる。
教育体制、現場でのフィードバックが重要。

(若杉さん・グロービス)
やはり人材。
優秀な人材を抱えることができれば、ここに書いてある課題は対応できると考える。
人材の育成に関しても他のコンサルティングと違うアプローチを歩んでいるのが先ほどの質疑応答から分かると思う。
もう一つ社外取締役の立場から。
クライアントも成果に対して喜ぶ。
そうなるとコンサルタントの社員の皆さんも喜びを分かち合いやすい。
やりがいや実感を感じやすいというのを前職のコンサルティングと比べて感じている。
スキルを付ける→成果を出す→クライアントが喜ぶ→喜ぶを分かち合う、というサイクルが極めて速く回る。
これが人材の採用と育成を加速させていく。
大きなポテンシャルだと思う。

Q7-2.これまで経験したトラブルについて。
(社長さん)
過去にはたくさんあった。
クオリティというよりも成果の認識違いが主。
基本はクライアントさんの認識に沿って対応するが、再び起こさないように契約書の修正やコンサルティングの進め方を変えてきた。
それが参入障壁にもなっているかと思う。
なので、いまはほぼトラブルはない。

Q8.競合。大手のコンサルティング会社が成果報酬に着手したという情報があるが本当か?
(社長さん)
それは事実。
私の旧知にも成果報酬はやらないのか聞くことがある。
一度やったことはあるがあまりチャレンジできない、という返答が多い。
大きな理由は、
・クライアントとの成果の齟齬
・プロジェクト期間が決まっていない(成果が出たときがプロジェクトの完了)
固定報酬型の会社で成果報酬を同居させるのは難しい。
成果報酬のプロジェクトに参加しているメンバーがいつ外れるのかが分からないので、固定報酬の営業が掛けられない。
また、パートナーの評価期間が大体1年ぐらい。
営業して半年、成果でるのがまた半年だと1年間まったく売上が立たない。
となると、パートナー陣としても成果報酬はやりたくない。
会社として全体に部署を設けて取り組んでいけば競合になっていくと思うが、なかなか広がっていかない。
いまは営業にいった時に「こんなサービスあるの」という状態だから、成果報酬を一般的にすることが課題。
なので、競合がでてくることは問題ない。
※パートナー:共同経営者

社長さんを筆頭に丁寧に答えていました。
正直、あやしい会社のイメージしかなかったですが、総会で話を聞いていたらものすごく好印象。
最後に社長さんが取締役のお二人に話を振ってひと言ずつありました。
山本さんの「赤字経営で施設閉鎖危機の会社のコスト削減コンサルして感謝の手紙がきた」話は特によかったですね。
Q7にあった若杉さんの「やりがいや実感を感じやすい」という話に通じます。
規模拡大で一番のネックは人の確保でしょうから、話が本当なら人に関する不安は大分解消されると思います。
とても気になる会社の一つとなりました。
FPGもクソ株センサーにフルヒットだったけど爆謄してるしまったく当てになりませんね。
てか、久々にFPGの業績みたらものすごい業績の伸び。
同じように飛躍を期待させる総会だったと思います。

6312 フロイント産業 銘柄メモ

  • フロイントはドイツ語で「友達」
  • 錠剤コーティング装置で創業
  • 製造機械メーカー
  • 医薬向け主力
  • ファブレス(米国子会社は自社工場、添加剤は混合設備保有・日本は浜松)
  • 日本トップシェア(2/3)、世界三強
  • 世界競合は欧州2社、欧州では圧倒的に弱い
  • 業績は各社の設備投資動向に左右される(機械部門)
  • 化成品部門の添加剤は一度使われるとそのまま使われる、薬の売上が順調なら添加剤も売上あがる(逆に順調じゃなければ売上下がる)
  • 機械部門は納期長い(4か月~6か月、ものによっては1年)
  • 2012から新社長(伏島巖)
  • 第三世代タブレックス(1台1億ぐらい)2016/7から市場展開、インクカートリッジでストック収入狙う
  • 受注時に全体の1/3が前受金、機械納入まで時間が掛かる模様(数か月~1年)

化け要素

  • リチウムイオン電池の極材製造装置
  • 全個体電池(微粒子作製、微粉末コーティング)
  • 医薬品添加剤の供給体制拡張、海外展開(インド)
  • アジア席捲

業績は機械部門が大きいので設備投資の動向に左右されますが、多少の凹凸ありながらも順調に伸ばしています。
リチウムイオン電池の方は成約に至らず停滞中のようですが、医薬品添加剤のインド展開は順調なようで、今後も期待できるのではないかとみています。
ちなみに医薬品添加剤が伸びれば業績の安定感は増すはず。
時価総額149億円(2018/12/28の終値)
2022年に売上300億、営業利益30億を目標

6312 フロイント産業 決算一覧

 

3560 ほぼ日株主総会 質疑応答メモ(2018年11月25日開催)

ほぼ日の株主総会が2018年11月25日の15時から開催されました。
場所は外苑前のTEPIA 3階・4階
明治神宮球場の近くです。
3階の方は中継用スペースで、家族同伴可(同伴者は中継のみ)の株主総会です。
総会以外にも講演会や授業などもあって一種のイベントですね。
4階の会場に入りきらないぐらい大勢が参加していました。

タイムスケジュールは、
13:00~14:30 濱口秀司さんによる講演(ビジネスデザイナー)
15:00~16:15 株主総会
17:00~18:00 ほぼ日の学校特別授業(シェイクスピア)
18:15~19:00 質問会
また、展示会や取扱商品の販売会も。

正直、株主総会が面白そうだったので権利とっただけでしたが、参加してみて会社も事業としても好印象。
糸井さん自身が出入り自由な宗教と言っていましたが、言い得て妙です。
少なくとも株主には信者が多数、話からするとアルバイトで参加する人にも多くいそう。
社員のメッセージ動画など流れていましたが、そのまま鵜呑みにすれば「楽しい会社」。
社員を乗組員とかわざわざ言い換える辺り好きじゃないんですが、本当に伸び伸びと社員の自主性、興味、働きやすさを重んじて実践できているなら理想的ですね。
それに、「事業についてはここまでは失敗できるということを最初に考える形でやっている」というのもいい。
ゆるさからおざなりになっていなければですが。

事業としてほぼ日手帳だけの会社としか認識していませんでしたが、犬猫SNSのドコノコや地球儀と情報アプリを融合させたアースボールが気になりました。
犬猫SNSはペット特化のインスタみたいなもの、アースボールはARを利用して地球儀上にアイコン等表示しながら色々調べられるアイテムで1年前に発売開始したばかりとのこと。
ドコノコは3年目で22万ダウンロードといまいちふるわない様子。
コンセプトは面白いと思うんですが、ペット人口少ないのでしょうか。
ペット飼育率
日本7%、アメリカは20%超えで高い。

売上高はほぼ日手帳が約6割占めていてアメリカアマゾン、中国wechatにも展開とのことです。
原価・販管費の増加は生活の楽しみ展で結構な費用掛かっている模様。

糸井さんの話好きにより特別授業以外すべて時間が足りませんでした笑
質問会だけで2時間ぐらいやってもいいんじゃないかという印象。

事業報告他30分、質疑応答30分ほどで時間切れ終了。
質問会の方も時間一杯の45分ほどで終了。
以下、本当は笑いが起きたりしているのですが、要約しているので固い感じになっています。
それにしても、CFO篠田さんの優秀感はんぱない。
来期はいなくなるようです。

質疑応答(要約)

Q1.決算期。8月決算は珍しいが何故か?
(篠田CFO)
主力商品のほぼ日手帳の発売日が9月1日であり、そこからの1年間である方が業績の状況を理解する上で一番分かりやすいであろうと判断した。

Q2.リスクマネージメントの基本理念を知りたい。
(糸井さん)
仕事は自分のやっていることに意義を感じることで責任感が生まれる。
また、うちの仕事では一番危ないケースは何かを必ず考える。
事業についてはここまでは失敗できるということを最初に考える形でやっている。

Q3.今期の棚卸評価損が増えているのは何故か?
(篠田CFO)
計上の原則は変えていない。
変わった要因としては売上が伸びた要因として新しい事業があり、新しい事業は不確実性が高いので同じものさしを当てた時に評価損という形で多くなった。

Q4.流動性が低い。どう考えるか?
(篠田CFO)
一般論として投資単位の引き下げが流動性にプラスに働くということは理解している。
株価水準、流動性、実施に掛かる費用などを常に総合的には判断しているが現時点では未定。
(糸井さん)
株価そのものを論議するというよりは、どういう事業があり、どういう風にお金が必要で、どういう人に経営に入ってきて欲しいか。
目にみえて大きな事業の変化がでてきた時に株に対する期待が問われると思うので、始まって2年の段階で株価そのものに対する話は、まだ、と僕自身は捉えている。

Q5.四季報に上期偏重とあるが何故か?
(篠田CFO)
主力商品のほぼ日手帳に季節性があり、期初(9月)から発売しているため。

Q6.生活の楽しみ展。地方開催できないか?
(糸井さん)
ほぼ日ではハイコストを覚悟してやっていることが多い。
簡単に各地に展開しても内容が不確かなものになる。
大阪開催でもアルバイトの皆さんに支えられてなんとかできた状態。
ライブ性を重んじながらインターネットを使っており、いずれ出来るようになるために何をしたらいいかは本気で考えている。

Q7.学校事業の今後の展望を教えてほしい。
(糸井さん)
まずは、いま集まっている方に本当にいいものだということを分かってもらうプロセス。
ネット視聴もまだ知られていないので、これが増えていくと見えてくるものがあると思う。
その次は、あるところではケインズ、あるところではダーウィン、あるところでは枕草子をやっていてみんな出入りできるような、具体的な形での学校の隆盛があり得ることだと思ってやっている。

Q8.次期の取締役が男性ばかりだが、ダイバーシティについてどう考えるか。
(糸井さん)
現在はこうなっているが、もっと外国人が入っているとか、若い人や女性が入っているとかは考えの中には入っているので少しずつ見て欲しい。

Q9.国際情勢に変化があるが、事業への影響は?
(糸井さん)
アジア諸国と生産基地をもっていることから影響を受けざるを得ない。
また、市場として関わる時期も近づいているので、そこについても考えている。

Q10.ほぼ日のファンをスタッフとして活用できないか。無報酬でもファンは楽しいのでは?
(糸井さん)
無報酬のボランティアみたいなことを絡めることはしないと思う。
すでにボランティアに近いぐらいで集まってくれている方の気持ちによって助けられている部分もある。

ほぼ日というのは囲い込みはしていない。
じゃあね、と言えて、また会った時に一緒にやろうよ、というゆるい繋がりが僕らのやりたいこと。

質問会の質疑応答(要約)

Q11.糸井さんと言えばゲームだが、何故ゲームアプリを出さないのか。
(糸井さん)
ゲームをやると泥沼になる。
長い期間を大勢が集まって知恵を絞り切って出すという、大博打になる。
ただ、自分が欲しいと思うものを作るのが僕らの基本で、ゲームという名前が付かないけれども、ゲームとして遊べるかも、ということはテストしている。
※糸井さんは過去に任天堂とマザー製作

Q12.アースボールを公開して第三者にもアプリを作れるようにしないのか。
(糸井さん)
いずれ必要だと思っている。
(アースボールには)自分たちの範囲を超えて伸びて欲しい。
どう育てていくかのプロセスで自分なりのアースボールの遊び方を、科学少年達や儲けたい人達が載せていくことを可能性としてみている。
ドコノコとアースボールは世界的な仕事になる可能性があるもの。
焦らずに大きい勝負をすることをいつでも望んでいる。

Q13.アースボールのアプリが音声読み上げに対応していないが対応をお願いしたい。
(糸井さん)
音声読み上げや海外版など基本的な企画は並行してやっている。
順次解決していくと思う。
また、スペックダウンの企画も並行して考えている。
アースボールについては可能性をすごくみているので、長い目でみて欲しい。
(教育現場にも飛び込んでいくか?)
評判はよいが、今の形で作り続けていくというのは数量に限りがある。
広げることに進みすぎるといけない。
※アースボールは手作業での製作みたいです。https://earthball.1101.com/faq/

Q14.岩田さんについてもっと知りたい。
※故任天堂社長、糸井さんと仲が良かった模様。飾り気のない感じの人柄をうまく話されていました。社長になる前も後も態度が何も変わらない、誰に対しても変わらない、っていうのはいいですね。ほぼ日にも顔をよく出していたようで、ほっこりエピソードが出ていました。

Q15.今後のほぼ日手帳の展望は?
(糸井さん)
我々が手帳と呼んでいるものはお客さんによって受け止め方が多岐に渡っている。
中国などではほぼ日手帳で初めて手帳というものを知ったという話があった。
自分の今日を書いていく、明日を書いていくということがあるんだということが分かってみんな使うようになったと言われた。
他にもバッグと同じだと言われた。
バッグを変えるように年の途中で変える。
自分たちが見えていない面から探っていくのが仕事。
ビジネスとしての可能性も含めてお客さんの方が進んでいるのではないかというのを会って勉強している。
そのやりとりの中から生まれてくるという形で広がっている。

Q16.黄色が至る所に使われているが想いを知りたい。
(糸井さん)
本当のところをいうと、だんだんと、そういえばと増えていった。
たまたま何かが黄色だったというのがあって、あれも黄色だったし、これもする?みたいな。
いくつか増えた段階で明るくていいね、となり、東急ハンズさんの方からロフトさんの話を聞いた辺りで、意識的に黄色を使うようになっていった。
うちのやっていることって考えてやっていること半分ぐらいしかない笑

 

笑いが起き続ける株主総会は初めてでした。
糸井さんの姿勢と語り口調に触れてみて、信者量産されるのが分かった気がします。
普段もあのままなら何故か助けたくなっちゃうんじゃないかな。
最後に総会締めの言葉で印象的だった部分です。

(糸井さん)
株主総会をやるとなると様々な指導を受ける。
こういう人がいたらどうするか。
そういう指導を受けるが、僕はそこに力を入れるのは間違っていると思ってる。
僕はそういう人がいたらあたふたしたらいいじゃない、ということを自分に言い聞かせて前回も今回もやった。
いないわけじゃないし、最悪どういうことがあるということを考えないわけじゃないけど、そこに掛けるコストは、いま温かく迎えてくださる方々に向けるべきじゃないかな、と思う。

6535 アイモバイル株主総会 質疑応答メモ(2018年10月26日開催)

アイモバイルの株主総会が2018年10月26日の10時から開催されました。
場所は渋谷のTKPガーデンシティ渋谷の1階「ホールA」

元々はインターネット広告事業(アドネットワーク事業)が主軸の会社です。
現在はインターネット広告事業とコンシューマ事業の両輪である、と社長さん強調。
実際、ふるさと納税サイト「ふるなび」が急成長しています。
これ利益率が良くてこのまま伸びるならおいしい事業。
ちなみにAmazonギフト券が寄付額の1%付くキャンペーンやっていたので私も利用しました。
株価は自社株買い発表しても下落していくという悲惨な状況。
最近売られているのはふるさと納税見直しによる規制方針も影響しているのかな。
この辺を心配してか、規制の影響についての質問がでていました。

アドネットワークに関してはGoogleのアドセンスが有名。
海外は知りませんが日本においてはアドセンス一強です。
なので他はモバイル特化型かアダルト・グレー系に活路見出している感じです。
で、アイモバイルはアダルト・グレー系のイメージ。
巷で漫画村問題が話題になった際、ネット上の記事で広告出稿企業としてアイモバイルの名前が挙がっていました。
なので、漫画村に広告出していたというのは事実か?という質問も。

業績は売上高順調で利益横ばい。
会社説明では「新規事業への投資拡大に伴い」とのこと。
営業利益率(青)、販管費率(赤)、売上原価率(黄)。(6535 アイモバイル業績

2016年7月期から徐々に販管費率(赤)が増えています。
11%→14%,16%,20%

販管費の割合が増えすぎていて売上原価率(黄)は下がっていますけど、絶対額では20億ぐらい増えています。
広告事業の原価上昇はずっと続くんじゃないかな。
質問に対する回答で、アドセンス広告も含めて最適なものを表示云々言っていたので、要は仲介の更に仲介しているだけかな。
売上が伸びていても薄利多売になっているならあまり宜しくはないかと。
ちなみにふるなびは利益率が高いのでそっちが伸びるとおいしい。

販管費の増加は主に給与及び手当と広告宣伝費でしょうか。
給料及び手当(青)と広告宣伝費(赤)を抜き出し。(給料及び手当、広告宣伝費

広告宣伝費が2016→2018で3.5億ほど増えています。
広告事業の減益要因を原価率悪化と言っていたので、広告宣伝費は主にコンシューマ事業のプロモーション費用でしょう。
シェア20%を目指すとのこと。

人件費の方は、従業員の推移みたら2016年38名、2017年45名、2018年80名とすごい増えてます。
決算資料見る限りM&Aによる増加のようです、、、と思ったのですが、単体も増えているな。(従業員数の推移

事業報告他30分、質疑応答30分ほどで終了。
株主総会後に事業説明会も開催されて大体40分ほどで終了しました。
基本野口社長が回答していました。

質疑応答(要約)

Q1.株主優待。パソコンを持っていない株主は株主優待を受けられないのか?
株主優待としてふるなびグルメポイントを贈呈している。
これはふるなびのサービスの一部で、弊社のサービスをより良く知って頂くため。
少しずつブラッシュアップしてなるべく多くの株主が利用できる形で提供していきたい。

Q2.ふるなび。総務省の返礼品規制について。
ふるさと納税制度は継続する見込みは非常に強い。
弊社のサービスは寄付総額とリンクしていると考えて貰ってよい。
PR強化してこの寄付総額からのシェア20%を目指す。
返礼品に関しては自治体。
総務省の厳しい通達もあって自治体側もふるさと納税制度の継続のために協力的。
ふるなびは自治体ありきのサービスなのでまず自治体の要望を受けとめながら、総務省とも協力していく。

Q3.現金をたくさん持っているが使い道は?
現金として110億以上ある。
使い道として大きくは新規事業投資、M&A。
コンシューマ事業は投資先行型のビジネス。
手元資金を厚く持つことはコンシューマ事業を拡大する上で必要不可欠と考える。
M&Aについても、複数の案件を並列的に検討している。
買える会社について案件が持ち込まれる。
資金を確保しておくことはM&Aを円滑に行う上で必要。

Q4-1.広告事業の減益要因は?
アドネットワーク事業は競争の激化で市場全体として利益率が低下の傾向。
売上は増加しているが仕入れ原価もあがり、これまで得られていた売上総利益率が達成できていない。

Q4-2.M&Aの対象は?
ユーザとのエンゲージメントが強く、一定規模の会員を持っているようなコンシューマサービスを獲得したい。
また、M&Aで獲得するだけでなく自社でもテッパンなどの新規事業を拡大していく。

Q5-1.株主優待。満遍なく株主が恩恵を受けるようにして欲しい。
ご意見参考にします。

Q5-2.監査。不祥事を起こす会社が度々あるが、どのような点を重点的に行っているか。
我々の提供している広告サービスでの売上が会計の方に正しくアウトプットされているか重点的にやっている。
また、社内のオペレーションで問題がないか、監査法人と協力してやっている。

Q6-1.広告事業。Googleアドセンスとのすみわけは?
競合ではあるが、我々の使命はメディアの収益最大化。
メディアの広告枠を預かって、Googleのアドセンスを表示させる場合もある。
アイモバイルの広告とアドセンス、どちらがメディアの収益に繋がるかを日々計測して最適化させている。

Q6-2.動画広告の競合は?
競合は居るが社名は差し控える。
弊社の強みはアプリ内の全面動画広告の配信。

Q6-3.漫画村への広告出稿の記事が出回ったが事実か。事業への影響は?
(溝田取締役副社長)
事業への影響はない。
当社としても著作権侵害サイトに対して広告が出稿されないよう対策している。
社内では審査部にて広告原稿・メディアのすべてを目視確認でチェックすると共に、広告審査委員会を設けて継続的に審査基準の見直しを行っている。
また、社外の複数の機関にも目視・機械にて第三者チェックを依頼している。
(社長)
弊社としては著作権違反のメディアに広告を配信することはあってはいけないことだと認識している。
漫画村の問題では、一部のWebライターからの質問に回答したものが記事として出回っていた。
実際に漫画村で広告の配信をその時点でしていない。
※質問に回答したものっていうのはこれのことかな?

Q7.減損損失の内容は?
(富重取締役)
ひとつは連結子会社のEvoryが保有するソフトウェアの使用停止によるもの。
もうひとつは連結子会社のTAGGYののれん。
(社長)
開発費用・維持費用・機能拡張性の面から比較して、Evory社のDSPのシステムではなく前期に買収したTAGGY社のシステムを継続して使う方がよいと判断した。
TAGGY社ののれんは、TAGGY社の新規事業が当初の計画から遅延している点を鑑みて減損した。

Q8.株主還元の方針は?
自社株買いは先日発表の通り、4億を上限として実施。
これは我々としては現状の株価は適正水準にないという考え。
今後のM&Aでの株式交換などを含めた資本戦略の中の一環として、自社株買いを実施していきたいと考えている。
また、配当に関しては現時点では保守的。
弊社は既にインターネット広告事業だけの会社ではない。
インターネット広告事業とコンシューマ事業の2つを両輪として成長し、安定するところまで投資をしていかなければいけない。
配当の検討はしているが、理解して欲しい。

事業説明会後の質疑応答(要約)

Q9.ふるなびの差別化は?
寄付をする時だけではなく、日々使われるサービスにしたい。
現在ふるなびを経由することでポイントが貯まる仕組みをやっている。
ふるなびのユーザ層を分析してどういったサービスを提供すればふるなびを好きになって貰えるか考えていく。

Q10.テッパン。知られていない名店を紹介していくとあったが、質の担保はどうやるのか?
テッパンの一番の狙いはコンシェルジュサービス。
LINE連携で、条件を提示すればコンシェルジュがお店を紹介する。
お店の質の担保は確かに難しい問題。
実際に営業でお店を訪問するなどして情報を集めていく。

Q11.営業利益率の目標は?
インターネット広告事業の方は粗利率が低下し、営業利益率の方も低下している状態。
一方でコンシューマ事業の方は遥かに異なり、高い営業利益率の事業となっている。
今期予想はコンシューマ事業に対する大規模なプロモーション投資を前提として組んでおり、この投資がどの程度売上や利益率に貢献するのか不透明なため保守的にみている。
最終的な営業利益率の着地点としては、コンシューマ事業の方は50%を超えるような営業利益率、インターネット広告事業の方は10%を切る営業利益率。
ミックスの形になるので10%後半から20%前半ぐらいの営業利益率を維持できれば健全な経営が出来ているのではないかと考えている。
そのためにはコンシューマ事業の売上を伸ばしていかなければいけない。

Q12.テッパンの黒字転換はいつ頃か。見通しを教えてほしい。
月間予約代金を1億ぐらい獲得できれば単月黒字化も見えてくると思う。
意気込みとしては1年半ぐらい。

Q13.コンシューマ事業。全サービス合算で会員数1,000万人を目標としているが内訳は?
多様なユーザデータを持つことで、多様な広告主の広告配信の助けになると考えている。
例えば10代の女性ばかりのサービスが作れたとしても、紹介したい商品が40代男性向けであれば役に立たない。
なので、満遍なく集めていきたいと考えている。
1つのサービスが広い属性ガバレッジを持つことはあまりないので、100万~200万人のサービスを6,7個、非常にエッジの効いたサービスなら10万人のサービスでもいいので、獲得していきたい。

Q14.全サービス合算で会員数1,000万人は重複込みか?
サービスを使っている“人”が大事だと考えており、目指すところは重複なしで1,000万人。
ただ、現時点において厳密に重複をカウントしていくつもりはない。

Q15.テッパンのインバウンド対応は?
インバウンドについては常に考えている。
海外から日本にくる方が非常に多くなっており、日本でよい体験をしたいという中にグルメがある。
事業計画にはまだ明確には載っていないが、いつかは通らなければならない道だと考えている。

社長さんは最初緊張が見えましたが、質疑応答の時には落ち着いて丁寧に回答していました。
他の取締役に振った際にも株主の欲していた回答になるよう、しっかりフォローしていて個人的に好印象。
切れ者というよりは熟考型の人な感じ。

頼りないと感じた株主が居たようで「社長さんに自信というものが感じられない!」といった発言もありました。
どこぞのgomi社長みたいに自信だけの人も居るから関係ないよね。

3930 はてな株主総会 質疑応答メモ(2018年10月25日開催)

はてなの株主総会が2018年10月25日の10時から開催されました。
場所は表参道のアイビーホール(青学会館)2階「ミルトス」
結婚式場みたいですね。
表にウェディングドレスが飾ってありました。

はてなブックマークで有名なので認知度は高い会社だと思います。
他に個人向けではてなブログ、法人向けではてなブログMediaやサーバー監視サービス(Mackerel)などを展開しています。

業績。

3930 はてな決算まとめ

売上伸びてます。
そして2018年度は足踏みですがその前は利益もついてきています。
2018年度は売上伸びたけど販管費も増えた模様。
システムリプレースでデータセンター利用料が増加したせいでしょうか。

データセンター利用料の推移

リプレースには新旧サーバの並行稼働が必要とのこと。
質問でシステムリプレースいつまで?っていうのがありました。
この費用計上がどのぐらい続くのか気になったためでしょう。

来期予想は2017年度同等の営業利益を予想。
過去の予想をみる限り固めに出す傾向の会社です(3930 はてな業績)。

事業報告他20分、質疑応答40分ほどで終了。
ノート取ったり端末持ち込んで調べたりと熱心な株主が多かったです。
質問もたくさん出ていました。
基本社長さんが回答、近藤さん関連の質問だけ近藤さんが回答。

創業者の近藤さんが持ち株を売っているのは確かに気になります。
近藤さんは物件ファンを運営するOND(おんど)社に注力のため、2017年にはてな会長を退任して非常勤取締役になっているようです。

質疑応答(要約)

Q1.6月にネット上でのやり取りをもとに刺殺事件が起きたが、コミュニティサービスを運営しているものとして見直し等何か取り組んだことはあるか。
適切な対応を行っていると考えており、今後も引き続きユーザからの通報や投稿内容のチェックを継続的に行い対応していく。

Q2.退職一時金とは何か。
物件ファンの事業譲渡を行っており、その従業員の転籍費用として計上。

Q3.システムリプレースの完了予定はいつ頃か。
詳細は出していないが、今季7月頃(2019/7)には大半の作業が終わる予定。

Q4.近藤さん。現役の取締役でありながら、市場内で持ち株を処分している。どのような考えか。
(近藤取締役)
昨年より別会社にて新規事業に取り組んでおり、そういった資金も含めての計画。
(追加で質問:OND INCの資金調達か?)
詳細は控えさせて頂く。

Q5.はてなダイヤリーを閉鎖して事実上はてなブログに統合するようだが、コンテンツはどうするのか。
基本的には、はてなダイヤリーからはてなブログへの移行を積極的にすすめていく予定。

Q6.はてなダイヤリーからはてなブログへの移行に際して、インポート機能が不完全だと思う。改善予定は?
基本的にはボタンひとつで移行可能になっていると考えているが、個別のケースで不完全な場合もある。
いま一度サポートに要望をだして欲しい。
(追加で質問:要望は出しているが反応がにぶい。問題認識はどの程度?)
完全互換ではなく、そのまま移行できるものではないと考えている。
一度にインポートしようとすると時間が掛かること、改行モードでhtmlが変わってしまうなど、いくつか把握はしている。
期間が限られているので、ユーザの意見を伺いつつ出来ることを対応していく。
今回のご意見もスタッフの方にしっかり伝える。

Q7.サーバ監視サービスであるマカレル(Mackerel)の強みは?
たしかにサーバ監視サービスはいくつかある。
強みは導入が簡単であること、サービスの設計としてサーバー監視のフレームワークがあるので利用者のレベルに関係なく同じレベルで監視が可能なこと。

Q8.コンテンツプラットフォームサービスが減収だが対策は?
例えば、はてなブックマークのリプレースが終わると出来ることが増えると考えており、ユーザに向けて価値を提供できると思う。
また、はてなダイヤリーとブログの統合でよりコミュニティが活性化していくと考えている。

Q9.株主還元。配当はなしとのことだが、有料オプションなどの株主優待は?
現時点ではそのような計画はないが、ご意見は持ち帰らせて頂く。

Q10.投資有価証券が2億円ぐらいあるが内容は?
満期保有のもので、社債・投資信託・MMFなど。

Q11.現金及び預金が9億近くと資産全体でかなりの割合。使い道は?
基本的には会社の成長のために使う。

Q12.セグメント。UGC単一セグメントとのことだが、3つの柱のうち「テクノロジーソリューションサービス」はそぐわないのでは。また、一番伸びるのはどれと考えるか?
※他2つはコンテンツプラットフォームサービス(個人向け)とコンテンツマーケティングサービス(法人向け)
テクノロジーソリューションサービスで提供する受託サービスはUGCに寄っている。
コンテンツプラットフォームでやってきた開発やコミュニティ運用といった資産が活きる。
サーバー監視サービスはUGCサービス等々のサーバー監視ノウハウを活かしているということで、現時点ではテクノロジーソリューションサービスに入れている。
今後伸びるものとしては、短期的にはテクノロジーソリューションが売上を引っ張ってくれると思うが、基本的には全てのサービスについて今後伸びていく余地があると思う。

Q13.近藤さん。商法における競業の避止に該当するのでは?
(近藤取締役)
OND社の取り組みは元々はてなの中で取り組んできた新規事業だったが、はてなの主となる事業とは距離があるため、別の会社として取り組んでいる。
OND社は物件管理情報サイトを起点に不動産の周辺領域などの展開を考えており、そういった情報ははてなメンバーとも共有している。
(社長)
近藤とは商法のルールを破らないよう気を付けるよう話している。

Q14.退任された元取締役の小林さんは引き続き大株主として居るが、院政を敷くのか!
退任をした後は経営に関わりません。
株式保有に関しては個人のことなのでお答えできませんが、院政を敷いているという事実はありません。

Q15.はてなブログの入力画面・閲覧画面とアメブロを比較するとデザイン的に劣ると感じる。物件ファンの方が良い。ユーザビリティを改善して欲しい。
チームにしっかり伝える。

Q14は意味が分からなすぎました。
社長さんも困惑の様子で、回答困っていましたが真面目に受け答え。
小林さんは院政とか言われて何かやらかしたのでしょうか?
質問した女性は何故かヒステリックな感じで、「大株主様であらせられる云々」とか妙にへりくだっていました。
色々な方が居るもんですね。

優待タダ取りにおけるコスト計算

優待タダ取り手順

  1. 権利付き最終日までに現物と信用売りのクロス取引を実施
  2. 権利付き最終日後に信用売りの現渡を実施

ここで掛かるコストが優待よりも低ければタダ取り成功。
ということで要コスト計算。

コスト算出で考慮すべき点は3つ。

    1. 逆日歩
    2. 売買手数料
    3. 信用売りの貸株料

逆日歩

逆日歩は過去の実績から予想。
安全をみるなら一般信用取引(無期限 or 短期)を使う。
ただし、貸株料率が高くなるので貸株料は嵩む。
過去に高額な逆日歩が発生しているようなら一般信用を使った方がよい。
(過去の逆日歩例:4661 オリエンタルランド

売買手数料

売買手数料は証券会社毎に確認。
大きな金額を一括取引する場合は上限が決まっているところが良い。
個人的には大きな金額一括でやるので上限が決まっているSBI証券を使っている(スタンダードプラン)。

信用売りの貸株料

信用売りの貸株料の計算は月末月初に土日休日を挟む場合は注意が必要。
一番少なくて2日分、土日を挟む場合は4日分掛かる(休日も挟むと更に掛かる)。

例えば、2018年9月末優待銘柄の場合(権利付き最終日9/25)
9/25売建約定・現物約定
9/26現渡約定
9/28売建受渡(売建約定の翌々営業日)
9/29土曜
9/30日曜
10/1現渡による返済の受渡(現渡約定の翌々営業日)

となって9/28~10/1まで4日分の貸株料が掛かる。

優待タダ取り例

SBI証券にて、一般信用(短期)を使ってオリエンタルランドのディズニーランド1dayパスを3枚タダ取りする場合。
SBI証券の場合の貸株料率
制度信用1.15%(逆日歩発生の可能性あるけど貸株料率は低い)
一般信用(無期限)2.00%(逆日歩発生なし、売建可能銘柄少)
一般信用(短期)3.90%(逆日歩発生なし、売建可能銘柄多)

1dayパス3枚取得するにはオリエンタルランドの株式が1,200株必要。
オリエンタルランドは過去に高額な逆日歩が発生しているので安全のため一般信用(短期)を使う。
※一般信用(無期限)の方が貸株料率低いのでよいが、オリエンタルランドは無期限の取り扱いがない。

9/25寄付に現物と信用売のクロス(9/25の寄り付き株価11,700円)
現物買11,700円×1,200株=14,040,000円(買付手数料994円)
信用売11,700円×1,200株=14,040,000円(信用手数料378円)

9/26現渡(手数料0円)
9/28売建受渡~10/1返済売渡で4日分の貸株料
建代金14,040,000円×3.90%×4日/365=6,000円

以上から、優待タダ取りで掛かった諸経費は、
994円(現物買付)+378円(信用売建)+6,000円(貸株料)=7,372円
ディズニーランドの1dayパスは1枚7,400円なので、1dayパス3枚取得して2枚分がタダで取得できた計算になる。

今回のオリエンタルランドの例では1400万円の資金で1.4万円分なので利回り0.1%。
手間をどう考えるかと資金量次第だが、単元狙いで優待利回りのよい銘柄を複数取得すれば利回り1%以上も可能かと。

小数点切り上げによる節税効果

ちなみに、諸経費分(上の例だと7,372円)の他に買付単価の小数点以下切り上げ効果が入るので税金を考慮すると2枚+αでお得。

※買付単価の小数点以下切り上げ効果
「特定預り」で購入した株式などの「取得単価」は、買付時手数料、消費税などの費用を含めた金額を基に算出し、小数点以下となった場合は小数点以下を切り上げた価格が「取得単価」となる

この切り上げ効果、株数が多いほどお得(低位株でやると・・・)。
今回のオリエンタルランドの例だと、
現物買付の諸経費込みの金額は14,040,994円
なので、買付単価は14,040,994円÷1,200株=11,701円(小数点以下切上げ)
対して現渡単価は11,700円
小数点切り上げで買付単価が1円高くなり、譲渡損は(11,700円-11,701円)×1,200株=1,200円
実際に掛かった諸経費も譲渡損になるから、譲渡損の総額は6,378円+1,200円=7,578円(※現物買付手数料の994円は買付単価で算入済み)
株式の税率は20%、譲渡損分だけ利益減るから、税額としては7578*20%=1,515円分減る。

株式市場にはお金が落ちている、というか手間分をコストとしてノーリスクでお得に手に入るのが優待タダ取り。
ただ、現渡を忘れたり、逆日歩地獄に落ちると損するけどね。

2428 ウェルネット株主総会 質疑応答メモ(2018年9月27日開催)

ウェルネットの株主総会が2018年9月27日の14時から開催されました。
場所は有楽町の東京国際フォーラム「ホールD5」

決済関係のアプリを開発・運営している会社です。
株主総会開始前の13時から経営報告会で説明していました。
電子マネーの「支払秘書」、高速バス予約購入の「バスもり!」を推進中とのこと。
アプリダウンロードはハードル高いからワンクッションいれるため「Webバスもり」を開発中。
たしかに頻繁に使わない限りアプリ入れたくはないよね。

北海道に開発拠点とコールセンターがあるようです。
先の北海道地震においてコールセンター維持できたのうちだけ、システムダウンさせた過去あるけど今は安定運用できてます、と誇っていました。

業績(営業利益、販売費及び一般管理費、売上原価)。
青(営業利益)、赤(販管費)、黄(売上原価)、合計して売上高。

※ここでは表示していませんが、2011年6月以降から売上高の算出方法変わっています(会計処理方法の変更)。

売上高は伸びても利益は伸びず。
売上伸び分が全部売上原価になってる感じでしょうか。
割合で表示。

売上原価(黄色)に侵食されて粗利率落ちっちゃってます。
どうも売上の伸びと共に売上原価の「収納代行手数料」が増えているようです。
収納代行機関(コンビニとか)通すからその手数料かな。
あと外注費(売上原価明細)。
2016年→2017年で2.7億ほど増えています。
2018年も少し減ったけど4億ぐらい掛かってます。
質問への回答で内製化といっているのは、このコストを下げるためですね。

ちなみに2017年6月の販管費が増えているのは主に「広告宣伝費」と「支払手数料」のせいです。
支払手数料はなんだろう(主要な販売費及び一般管理費)。
この年だけ3.3億と突出してるんですよね。
他の年は大体3千万~1億ぐらい。
気になるけど保留。

午前中に出席したあいHDの会長さんとはうってかわってようしゃべる社長さんでした。
経営報告会後から株主総会までの空いた時間にも質問を受け付け。
うちの総会は質問いっぱいでて終わらないから今のうちに受け付けるよ~とのこと。
実際は総会であまり質問出ませんでしたが・・・。
今年は社長さん拍子抜けだったろう^^;

事業報告他30分、質疑応答は10分(経営報告会後の質疑応答を含めると25分)ほどで終了。
質問には経営報告会のQ2-1,2以外は全て社長さんが回答。

経営報告会後の質疑応答(要約)

Q1-1.支払い秘書の次のターゲット。電力会社は増えているが1年に2社は遅いのではないか。ガスや水道なども同時並行で出来ないのか?
遅いという点については、我々ももっといけると思っている。
電力はスマートメーターがあるので遠隔地から電気の開け閉めができる。
ガスに関しては、電子メール+マルチペイメントで払う形のペーパーレスは進めており、その先に支払い秘書をくっつけるという工事は終わった。
ただ、プロパンガスは遠隔地から開け閉め出来るが、都市ガスは出来ない。
水道については、地銀と提携をしたら一緒に出来ないかと考えている。
水道は検針員が必ず現地にいっており、同時にポスティングすればいいのでメリットがない。
スマートメーターはひとつポートが空いているから、そこにくっつけて遠隔検針できるかもしれない。
ガス・水道も進めていきたいと考えている。

Q1-2.QR決済を統一しようという動きがあるが、関係するか?
我々は非対面決済を生業としており、今のQR決済は店舗でQRをかざしたり読んだりするもの。
私もQR決済は統一されると思っている。
QRの中にあるのは「どこから誰にいくら払うのか」の要素が入っているだけ。
支払い秘書には銀行口座がくっついているから、今でもバーコードを読み込むことで払うことができる。
将来的には対面決済も視野に入ってくる可能性はあると思っている。
決済は請求書とそれに対するお金だから、請求書をどれだけもっているか、が勝負になる。
我々は非対面に関してはたくさんの請求書を持っている。
これをまず決済として繋げていって、対面にもいければと思っている。

Q1-3.市場は伸びていてもコンビニの収斂で厳しいか。今の環境について教えてほしい。
収斂して相対的にコンビニが力を強めている、というのは否定できない。
ただ、我々の減収要因は競争が激しくなったというのもあるが、経営報告会で述べた通り原因は3つ。
現金決済の中で一番我々が強いと思っているし、決済マーケットに関してはまだまだ拡大すると思っている。
コンビニもキャッシュレス化に対応していくと思うから、上手く立ち振る舞っていきたい。

Q2-1.北海道地震の被害状況について
(札幌事業所の小山執行役員が回答)
水道・電気のインフラはなかったが、物的被害は無し。
社内システムを守りつつ、コールセンターも維持したのは当社のみではないか。

Q2-2.リスク回避で北海道以外にバックアップ用の基地を設ける予定はあるか?
(札幌事業所の小山執行役員が回答)
現在ホスティングは1か所のみだが、クラウド化の方向で考えている。

Q2-3.地方銀行とのビジネスチャンスがあるのもわかるが、地方銀行も収斂してコンビニ収斂により事業が縮小したという話と同じことにならないか。
同感。
ただ、我々のビジネスチャンスは事業が起きる時と収斂に向かっていく時。
儲かっているときは相手は現状維持で飲まない。
これから色々な地銀が出ると思う。
一緒に決済関連を取りに行こうという地銀と新しい世界が作れるマーケットが始まると思う。

質疑応答(要約)

Q3-1.従業員数が11名増と会社の規模からすると結構な数だと思う。人材確保の状況について教えてほしい。
ほとんどは札幌事業所のエンジニア。
ボリュームのある開発案件を抱えており、人が足りない。
相当数の外注を使っている状況。
内製化がひとつの目的で、技術者として新卒あるいは中途を力を入れて採用している。
高等専門学校からの採用が多いが、学生1名に対して20社が募集しているような状況。
当社が採用できているのは奨学金を通じて非常にいい関係が構築できていること、またビジネスモデルが先端に近くサービスとして新しいというイメージ、採用担当の尽力がある。
コストパフォーマンスをあげるためにも内製化の推進は大きなテーマで、エンジニアは特に力を入れて採用していきたい。

Q3-2.役員報酬の一部として譲渡制限付株式条項というのがあるが採用しているか?
役員の退職金であたる1円のストックオプションを廃止して、リストリクテッドという株式報酬は昨年から採用している。

Q4-1.ローソンやミニストップは取引先だが、ローソン銀行が開業したら競合になるか?
ローソン銀行と連携の予定はない。
今まで通りローソンの店舗によって収納代行をしていく。
収納代行は請求書を出した人に対して行われる決済。
ローソン銀行が物を売った事業者と提携して決済していく、という判断をしない限りは競合にならないと思う。

Q4-2.ApplePayやAmazon、ヤフーなども端末決済に進出しているが競合になるか?
我々は公共料金からスタートして当社のサーバーにある数多くの請求書に対して支払い秘書を適用していく戦術。
これが将来どうなるのかは私にも予想ができない。
自分たちの出来ることを着実にやっていく。

Q4-3.コンビニ等と連携して海外展開はないのか?
海外展開は今のところ予定はない。

3076 あいホールディングス株主総会 質疑応答メモ(2018年9月27日開催)

あいホールディングスの株主総会が2018年9月27日の10時から開催されました。
場所は東銀座の時事通信ビル2階「時事通信ホール」

機器類の販売が主力の会社です。
会長兼CEOは佐々木秀吉さん。
豊臣秀吉と同じ秀吉です。

業績は優秀。
売上の伸びと共に利益も安定して伸びてます(3076 あいHD業績)。

次にセグメント別の売上高と営業利益の全体に対する割合

売上高(緑色が情報機器、赤色がセキュリティ機器)

営業利益(緑色が情報機器、赤色がセキュリティ機器)

売上高の割合は情報機器が一番高いのですが、営業利益はセキュリティ機器が5割超え。
なので、質問で「一番収益性の高いセキュリティ機器に集中しないのか?」というのが出ていました。
回答聞いて思ったのですが、集中とか以前に機器販売にこだわっているわけじゃなさそうですね。

事業報告他20分、質疑応答は10分ほどで終了。
質問には全て会長の秀吉さんが回答。
質問の真意をくみ取るのが下手なのか、サービス精神希薄なのか、あっさり風味の回答が多かった気がします。
熟考タイプの会長さんなのかな。

質疑応答(要約)

Q1-1.社長のリーダーシップについて知りたい。先見の明が良かったのか。
特別なことをやっている訳ではない。
ごく当たり前のことを当たり前にやっているつもり。

Q1-2.株価に対する考えは?
私も20%ほど持っており、私がCEOでやっている間は常に株価~~~(聞き取れず)という気持ちで仕事をやっている。

Q2-1.対処すべき課題の中に「高齢化社会に伴う老健・介護施設等への事業拡大を推進していくこと」とあるが、今の状況とこれからについて教えて欲しい。
監視カメラが徐々に入り始めており、やはり主力製品である監視カメラを中心として拡大中。

Q3-1.アメリカで中国製の防犯カメラの問題が出たが、その代替として進出する気はないか?
そういったニュースもあるが、日本においては問題になっていない。
特にうちの主力はマンションが8割であまり影響はないと思う。
→(質問者:対処すべき課題に「未参入市場への切込み」とあったのでその範疇になろうかと思ってお伺いしました。)

Q4-1.選択と集中について。セキュリティ機器の部門が収益性・資本の効率性が高いと思うが、集中する気はないのか。
何が起きるか分からない時代だから、ある程度高収益な企業・業種をホールディングとして抱える方向で考えている。
その中でもよりよいシナジーを探していく、というビジネスモデルを考えている。